IoTデバイス設計を簡素化、マルチプロトコルSoC:実運用に近いソフトウェアスタックを強みに(1/2 ページ)
シリコン・ラボラトリーズは、IoTデバイス向けにマルチプロトコルSoC「Wireless Gecko」ポートフォリオを発表した。実運用に近いThreadやZigBee、Bluetooth Low Energyなどのソフトウェアスタックと統合開発環境を組み合わせることで、IoTデバイスの設計を簡素化するという。
シリコン・ラボラトリーズ(以下、シリコンラボ)は2016年2月29日、IoTデバイス向けにマルチプロトコルSoC「Wireless Gecko」ポートフォリオを発表した。
Wireless Geckoは、ARM Cortex-M4コア、最大出力19.5dBmの2.4GHz/サブギガヘルツのRFトランシーバー、最大256Kバイトのフラッシュメモリ/最大32KバイトのRAMといったメモリオプション、センサーインタフェース、ハードウェア暗号化機能などを搭載。実設計にも転用できるようなThreadやZigBee、Bluetooth Low Energy(BLE)、独自プロトコルのインタフェースソフトウェアと、統合開発環境「Simplicity Studio」を組み合わせることでIoTデバイスの設計を簡素化するという*)。
*)同社は実設計に転用できるようなソフトウェアスタックの提供に力を入れており、2015年2月にブルーギガ・テクノロジーズ(Bluetooth)、同年11月にはテレジェシスを買収している(ZigBee/Tread)。
現在はサンプル出荷を開始し、量産出荷は2016年第2四半期を予定。5×5mmのQFN32、7×7mmのQFN48パッケージで提供。WLCSPパッケージも追加予定である。
3つのファミリー構成
同社は今回、Wireless Geckoポートフォリオとして「Mighty Gecko」「Blue Gecko」「Flex Gecko」ファミリーを展開している。
Mighty Geckoは、メッシュネットワーク向けでZigBee PROソフトウェアスタック、IP(Internet Protocol)ベースのメッシュネットワーク向けに事前認証済みのThreadプロトコルスタックをサポートした。開発者は、IoTアプリケーションに合わせてZigBee/Thread/BLE/独自プロトコルから最適なプロトコルを選択可能になる。
同社日本法人社長の深田学氏は、国内のZigBee/Thread普及に関して、「ZigBeeは国内においてそこまで普及していない印象はある。しかし、ホームオートメーション向けのThreadはこれから国内でも普及すると考えている。なぜなら、Threadを展開するNestがGoogleの傘下になったからだ。Googleの傘下に入ったということは、今後Threadはエコシステムの中で必須の規格となっていくだろう」と語る。
Blue Geckoは、BLE4.2と独自プロトコルに対応。BLE設計に最大19.5dBmの出力電力を提供できるのが特長という。Flex Geckoは独自プロトコル向けで、同社のソフトウェアRAIL(Radio Abstraction and Interface Layer)で、無線の構成を簡素化することによって、ワイヤレス開発の複雑さを軽減するとしている。
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