Maxim、スマホリスク排除し車/産機軸に転換へ:「創業以来の大変革」(1/3 ページ)
Maxim Integrated(マキシム インテグレーテッド)は2016年3月9日、国内メディア向けに事業戦略説明会を開催し、このほど大幅な事業見直しを実施し、自動車/産業機器などの成長市場にフォーカスする新たな事業方針を発表した。
「企業としてプラス方向に向いていくため、創業33年の中で、最大規模の事業構造の変革を実行した」
2016年3月9日、Maxim Integrated(マキシム インテグレーテッド)が国内メディア向けに開催した説明会で、登壇した同社幹部らは、2015年末に実施した構造改革がMaximにとって大きな決断であったことを繰り返して強調した。
同社が行った変革とは、一言で言ってしまえば“徹底した選択と集中”といえるだろう。あらゆる事業を根本から見直した上で、「レーザーポイントフォーカス」と言うほどに今後成長が見込める事業領域を詳細に特定し、成長に向けて集中する事業を徹底して絞り込んだという。
スマホの成長鈍化が影響
構造改革に至った理由について、全事業部門を統括するエグゼクティブバイスプレジデントのMatt Murphy氏は、「半導体業界は、グローバルで変革が起こり環境が変わっている。業界の成長自体も鈍化してきている。そうした変化に対応を迫られた結果の変革」と説明。売り上げの柱を担ったスマホ向けビジネスの低迷に、競合やパートナーの合従連衡が急速に進み取り巻く環境が激しく変わったことで、変革を迫られた格好だ。
Maximの業績は、足元の市況悪化で直近業績こそ前年比減少傾向にあるが、スマホをはじめとした民生機器向けビジネス規模が大きく減少している中でも「ほぼ横ばい傾向を維持してきた」(日本法人社長 滝口修氏)。民生機器向けでの落ち込みを、自動車/産業機器向けビジネスの成長で補ってきた。
Maxim Integratedの2016年度第2四半期(2015年10〜12月)における用途別売上高構成比(左)と、用途別売上高の前年同期比比較 (クリックで拡大) 出典:Maxim Integrated
そうした状況下で、“徹底した選択と集中”を行い、現状に応じた事業構成に再編したわけだ。
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