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IoTとSiCで欧州産機への食い込み目指すロームハノーバーメッセ2016(1/2 ページ)

ロームは、ハノーバーメッセ2016に初出展し、欧州産業機器メーカーへの同社デバイスやソリューションのアピールを行った。SiCを中心としたパワーデバイスの紹介とともにインダストリー4.0などで盛り上がりを見せるIoTへの対応を紹介した。

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 ロームは、ハノーバーメッセ2016(2016年4月25〜29日、ドイツ・ハノーバーメッセ)に初出展。欧州産業機械メーカーに対し、同社のパワー半導体製品やIoT関連のソリューションを紹介し、欧州の産業機器向けでの認知度向上を狙う。

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ハノーバーメッセへの初出展となったロームブース。次期シリーズから同社のSiCショットキーバリアダイオードが採用となった「Formula-E」のレプリカカーなども展示した

 同社では、エレクトロニカなどデバイス・部品関連の欧州展示会には以前から出展していたが、今回のハノーバーメッセのように完成品関係の展示会に出展するのは初めてだという。ハノーバーメッセへの初出展の狙いについて、同社取締役でLSI商品開発本部 本部長の飯田淳氏は「全社的に産業機械向けと自動車向けへの取り組みを強化する中で、欧州市場においてロームに対する認知度を高めることが狙い。海外強化の方針などもある中で欧州の、特に産業機械メーカーに対する認知度はまだまだ低く、まずは『ローム』の赤いブランドロゴへの信頼を獲得したい」と述べている。

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ローム 取締役でLSI商品開発本部 本部長の飯田淳氏。「ロームのブランドロゴ(左上)の認知度を高めたい」と述べている

SiCで他社に追随を許さない

 主力製品であり今回も出展の中心に据えたSiC(炭化ケイ素)パワーモジュールは、モーターやインバーターなどの高効率化や小型化などに貢献する他、冷却機構の削減を図れる点など機器のシンプル化などにも役立つ。既に車載向けでは一定の評価を得ているが、産業機械向けでは「コストや用途の面で、大きく採用が増えているとはいえない状況だ。大型で電力をいくら使ってもよいというような機器では不向きであるため、用途については顧客ニーズを捉えた提案を進めていきたい」(飯田氏)としている。工場内での産業機器などについてもコンパクト化やモジュール化などの動きが広がっており、人との協調ロボットなどさまざまな新しい用途などが生まれてきている。これらのニーズを捉えた提案を進めていく方針だ。

 コスト面については、SiCパワーモジュールの生産面で大型ウエハーの採用を加速させており、いち早く大型化を実現することで生産性を高め、コストを低減していく方針だ。「(SiCウエハー径を)4インチから6インチ、今後は8インチへと着実に進化させていく。現状では産業機器メーカーに対してはコスト面がハードルになることが多いが、いち早く大型対応を進めていくことでコスト競争力を高め、ニーズに合う価格帯に持っていけると考えている。競合他社がSiCに本格的に参画する前に圧倒的な優位性を築きたい」と飯田氏は力を込める。

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展示されたSiCパワーモジュール製品と4インチおよび6インチのウエハー(クリックで拡大)

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