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マイクロ/ミリ波発生装置の雑音、100分の1に:光周波数コムを高感度検出器として活用(1/3 ページ)
NTTと東京電機大学は、線スペクトルが等間隔で並んだレーザー光源「光周波数コム」を用いて、マイクロ波/ミリ波発生装置の雑音を従来の1/100に低減することに成功した。
NTTと東京電機大学は2016年5月、線スペクトルが等しい間隔で並んだレーザー光源である「光周波数コム」を用いて、マイクロ波/ミリ波発生装置の雑音を従来の1/100に低減することに成功したことを発表した。次世代の高速/大容量無線通信に向けた技術として注目される。
一般的なマイクロ波/ミリ波発生装置は、高精度の水晶発振器を用いて周波数逓倍し、必要とする周波数を発生させている。この時、雑音も同時に増幅されてしまう。例えば、10MHzの水晶発振器を用いて1GHzのマイクロ波を発生させると、雑音も1万倍に拡大されるという。
雑音を抑える方法はいくつかある。こうした中で、NTT物性科学基礎研究所(NTT物性研)は、「光のものさし」とも呼ばれる光周波数コムに注目し、これまで25GHz周波数間隔の光周波数コムを開発してきた。
NTT物性研が開発しているのは、位相変調器型の光周波数コムである。一般的なモード同期レーザー型の光周波数コムに比べて、数十GHzと繰返し周波数が高く、かつ繰返し可変の光パルス列の発生が容易、という特長を持つ。半面、中心波長から離れていくと雑音が増幅されて、スペクトル幅が拡大されるという課題もあった。
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