サイプレスがUSB Type-CハブコントローラIC:ICチップ4個分の機能を1チップに集積(1/2 ページ)
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は、USBパワーデリバリー機能を搭載したUSB3.1 Gen1/Type-C規格対応のハブコントローラIC「EZ-USB HX3C」を発表した。基板への実装面積削減と部材コスト低減を可能とする。
面積3割、コスト1割削減
Cypress Semiconductor(サイプレス セミコンダクタ)は2016年6月、USBパワーデリバリー機能を搭載したUSB3.1 Gen1/Type-C規格対応のハブコントローラIC「EZ-USB HX3C」を発表した。これまで4個のICチップで実現していた機能を1チップに集積した。
EZ-USB HX3Cは、USB3.1 Gen1ハブコントローラ機能、USB Billboardコントローラ機能、2つのUSB Type-Cポートコントローラ機能を、外形寸法が10×10mmの121端子BGAパッケージに集積した。4個のICチップで構成した従来に比べて、プリント基板への実装面積を30%、部材コストを10%、それぞれ節減できるという。ノートブックPCのドッキングステーションやモニター装置に向けに提案する。
EZ-USB HX3Cの主な回路ブロック(右)、左はこれまでの回路ブロックの例。いずれも回路ブロック図の左側にある「Type-Cポート」をPC側に、右側に配置された「Type-Cポート」や「Type-Aポート」「DPポート」を各デバイス側に、それぞれ接続する (クリックで拡大) 出典:サイプレス セミコンダクタ
Apple充電規格にも対応
ハブコントローラの機能ブロックは、外部インタフェース向けに3つのダウンストリームポートと、1つのノンリムーバブルポートを提供する。2つのUSB Type-Cポートコントローラ機能ブロックは、ハブのアップストリームポートおよび、1つのダウンストリームポートを、それぞれType-Cポートとして機能させる。アップストリームポート側はDRP(Dual Role Port)を、ダウンストリームポート側はDFP(Down Facing Port)をサポートしている。
ノンリムーバブルポートは、内蔵したBillboardコントローラ部に接続されるが、これを無効にすることも可能である。Billboardコントローラ機能は、DP(DisplayPort)やMHLで接続されるディスプレイ装置など、オルタネートモードで動作する非USBデバイスをクラス分けする際に用いられるという。また、全てのダウンストリームポート上で、USB Battery Charging v1.2(BC 1.2)とApple充電規格にも対応している。
HX3Cは、2つのARM Cortex-M0プロセッサコアや、容量が64kバイトのプログラム格納用フラッシュメモリを内蔵している。このため、USB Type-Cポートコントローラ機能やUSB Billboardコントローラ機能のファームウェアについて、最新版へアップグレードすることも容易に可能だという。HX3Cは、各ポートに割り当てられた機能の違いによって4製品を用意している。
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