セルラーIoTが新たなサービスを生み出す:M2M市場が変化する?(1/2 ページ)
LPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク向け市場は今後何年かの間に、IoTと同様に細分化されていくだろう。最も重要な新規格が登場するのはまだ1年以上も先のことだが、プレーヤー企業たちは、依然として大部分は不明ながらも、幅広いエンドユーザー市場を開拓すべく競争を繰り広げている。
M2M市場の変化に期待
一部では、「LPWA(Low Power Wide Area)ネットワークの台頭が触媒として作用し、組み込み、M2M(Machine to Machine)市場が本質的に変化するのではないか」と期待する声も上がっている。現在、各アプリケーション専用のソリューションが開発されているが、これらはモジュールやサービスを手掛けるDIY(Do It Yourself)愛好家にとって楽園のような存在となり、ベンダーとユーザー、パートナーの間の区別は曖昧になっていくだろう。
LPWA分野では、以前から既に激しい競争が繰り広げられてきた。現在、パイオニア的存在であるフランスのSigfoxが市場をリードしている。同社は、1ノード当たり年間約1米ドルのコストで、十分なデータ量を提供できると確約しているという。
その後を追うのが、急激な成長を遂げるLoRa Allianceのメンバー企業である。さらに、始動したばかりの「LTE Cat 1」と「LTE Cat M1」の2つの携帯電話向け仕様の他、列挙できないほど数多くのサブギガヘルツの仕様が存在する。
こうした規格は、「LTE Cat M2」に対し、大きな圧力をかけている。LTE Cat M2は、3GPP標準規格によって間もなく策定されると期待されていたが、主要プロバイダーのネットワーク上で切り替えが進むのは、2018年以降になりそうだ。通信事業者側で新しいアプリケーションサーバの設置と試験を行う必要があるためだ。
ただし、好材料となるのが、IoT市場は非常に幅広く多様なため、十分な成長を遂げるにはまだ何年もかかるという点だ。誰もが十分なビジネスチャンスを得られると期待されているが、どの技術が主流でどれがニッチとなるのかを判断するには時期尚早だといえる。
低コストのセルラーIoTネットワークが変革を起こす?
モジュールメーカーElectric Impの創設者であるHugo Fiennes氏は、「低コストのセルラーIoTネットワークが台頭することにより、大きな変革がもたらされるだろう」と楽観視している。「スマートホーム向けに、使い勝手の良いIP(Internet Protocol)ベースのチップやボード、システムなどで構築された既存の優れたエコシステムは、Bluetoothと無線LANからセルラーへ移行することによって、さまざまなものをうまく組み合わせたソリューションを簡単に実現できるようになる」(同氏)。
同氏は、「セルラーIoTが、Web 2.0の世界でマッシュアップ*)を実現し、新たなサービスを生み出していくと確信している」と述べている。
*)マッシュアップ:2つ以上のWebサービス(Web API)を利用して混ぜ合わせて新しいサービスを生み出すこと(出典:@IT いまさら聞けないリッチクライアント技術(10))
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