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悪質なドローン見つけ、制御不能に追いやる技術国内では利用できない?(2/2 ページ)

ローデ・シュワルツは、2016年9月にドローンの検知/監視/対策できるソリューション「ARDRONIS」を国内で展開する。ARDRONISはアンテナやレシーバーで構成され、ドローンを検知するだけでなく、操縦者の居場所を方位で特定し、電波にノイズを付加する「ジャミング」を行うことで制御不能にできる。しかし、同社によると、国内でジャミングは利用できないという。

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制御不能にするジャミングシステム


津本哲哉氏

 次に検出したドローンが悪質と判断した場合、操縦者の方位特定を行う。アンテナが2つ以上設置されていれば、検出した方向の交点から操作している人物の位置を特定できる。1つのアンテナでも、電波のレベルで距離が分かるため、おおよその位置特定が可能とする。

 方位特定後、悪質なドローンの電波にノイズを付加することで電波妨害(ジャミング)を行い、制御不能にすることが可能だ。対象信号にのみジャミングする「フォロワージャミング技術」を適用しているため、周辺の信号に影響を与えないという。津本氏は、「多くのドローンは制御不能になった場合、その場に着陸するか、元の場所に戻るようにプログラムされている。そのため、安全面での問題も少ない」と語る。

 「当社は、防衛用の通信技術で培ってきた、電波の諸元の識別/方位特定/ジャミングのノウハウがある。計測器メーカーとして、Wi-FiやBluetoothの認証試験システムの開発もしてきた。ARDRONISは、これら2つの技術が融合されて実現している」(津本氏)


「ARDRONIS」の概要 (クリックで拡大) 出典:ローデ・シュワルツ

 ARDRONISは、データベースに登録されていないドローンは「unkown」として表示される。設定した周波数バンド以外のドローンが検知できないのも課題といえるだろう。それに対しては、ライブラリを拡張する形で対応できるとしている。

 また、国内ではNECが赤外線監視サーモカメラを利用したドローン検知システムを開発しているが、このような他のシステムにオープンインタフェースとして統合可能だ。

国内では……

 ARDRONISは、2016年9月に国内で発表を予定しているが、2015年にドイツで行われた主要国首脳会議(サミット)やフランス警察とトライアルが行われている。このように重要なイベントや施設で、ドローンによるテロを未然に防ぐことが期待されるが、津本氏は「電波法の関係で、国内でジャミングシステムは利用できない」と語る。つまり、方位特定まではできるが、制御不能は別の手段で行う必要があるとした。

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