2015年 車載半導体シェアランキング、首位はNXP:2位Infineon、3位ルネサスの順に
2015年の車載半導体市場は、NXP Semiconductorsが約42億米ドルの売上高でトップに立った。2014年まで首位を維持してきたルネサス エレクトロニクスは、3位となった。
Freescale買収で、トップに躍り出たNXP
2015年における車載用半導体市場の成長は、為替の変動によって、緩やかなものとなった。さらに、メーカーのM&Aにより、同市場の売上高ランキングは変動している。市場調査会社のIHS Technoogyが報告した。
IHSによれば、2015年の車載半導体市場の成長率は、前年比で0.2%だった。
売上高ランキングでは、118億米ドルでFreescale Semiconductorを買収したNXP Semiconductorsが首位に立った。NXPの車載用半導体の売上高は、前年比で124%増となり、約42億米ドルとなった。
IHSで車載半導体のアナリストを務めるAhad Buksh氏は、「NXPによるFreescaleの買収は、巨大な車載半導体メーカーを生み出した」と、リリースの中で述べている。同氏は、「NXPは、2桁成長を遂げた(旧Freescaleの)プロセッサ『i.MX』のブランド力を生かし、車載インフォテインメントシステムでの地位を高めた。さらに、キーレスエントリーシステムの普及が進んだことにより、アナログICの売上高も2桁で成長している」と分析した。
Infineon Technologiesも、IR(International Rectifier)を30億米ドルで買収したことにより、ルネサス エレクトロニクスを抜いて2位にランクアップした。そのルネサスは3位となり、後にSTMicroelectronicsやTexas Instrumentsが続く。
IHSによれば、ルネサスの売上高の成長率は為替によって大きく変わるという。同社の車載半導体の売上高は米ドルベースでは12%下落したが、円ベースでは1%成長している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサス、2020年に車載半導体シェア首位奪回へ
ルネサス エレクトロニクスの自動車向け事業を統括する執行役員常務の大村隆司氏は、2016年1月13〜15日に開催されている「国際カーエレクトロニクス技術展」でインタビューに応じ、2020年に世界車載半導体シェアでNXP Semiconductorsを抜き、首位に躍り出る見込みであると明かした。 - 2014年 車載半導体シェア、ルネサスが首位を維持
IHSのリポートによると、2014年の車載半導体サプライヤランキングは、ルネサス エレクトロニクスが首位を維持した。ただし、2015年は、車載分野に注力する大手半導体メーカーのM&Aが続いたことから、ランキングに変動が生じると予測している。 - GoogleやAppleは車載市場の“トリガー役”に
ルネサス エレクトロニクスは、ドイツ ニュルンベルクで開催された「embedded world 2016」で、IoT機器向けの設計基盤「Renesas Synergyプラットフォーム」に加え、車載向けや産業機器向けの製品も展示した。ルネサスの欧州法人Renesas Electronics Europeで車載部門、産業機器部門を統括するそれぞれのバイスプレジデントに、各市場の動向などを聞いた。 - ルネサス、5年前の教訓生かした震災対策「成果出た」
ルネサス エレクトロニクス社長兼CEOを務める鶴丸哲哉氏は2016年5月11日、熊本地震で被災した熊本地区製造拠点の復旧作業状況について説明を行った。