呉ルネサス、目指すは「W杯優勝」:特定企業の傘下ではなく独立企業として戦う(1/3 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2016年6月28日、同日付で社長兼CEOに就任した呉文精氏の就任会見を開催し、新CEOとして、戦略的セグメントに特化するなどの経営方針、抱負を語った。
「自信がなければ、引き受けていない」
「日本の半導体業界は、業界出身者が何人も経営し、うまくいかなかった。私が持っている半導体業界以外の経営ノウハウを入れることで、うまくいく。傲慢(ごうまん)かもしれないが、それぐらいの自信がなければ、(ルネサスCEO職を)引き受けていない」
2016年6月28日、ルネサス エレクトロニクスの社長兼CEOに就任した呉文精氏の会見での発言は、自信に満ちあふれていた。
日本興業銀行(現みずほ銀行)、GEキャピタル・ジャパン、カルソニックカンセイCEO、日本電産副社長の経歴を持つ呉氏は、「私自身は半導体の種類も覚えきれていないほど、半導体の知識はない」と認めつつ、「半導体に関する知見は、全て社内にある」と半導体業界での経験不足は一切、意に返さない。カルソニックカンセイCEO時代、親会社であった日産自動車のCEO カルロス・ゴーン氏の言葉を借り「“答えは社内にある”。(経営を成功に導くため)適切な質問さえすれば、その答えは社内にある」とした。
実行力ある
「ルネサスには、実行力がある。2013年10月以来、(事業構造改革策である)変革プランに取り組み、65%だった注力製品事業比率を91%に高め、工場も22ラインから12ラインに半減させ、従業員も約4万人から約2万人に減らした。同時に、工場、従業員が減っても、品質問題を出さず、営業利益率はマイナスから+15%まで大幅改善させるなど、顧客の信頼を維持している。これは、すごい実行力だ」と評価する。
加えて「自動車やスマートシティーなど、重要な産業を支えための、“オセロの隅石”のような(要となる)技術をいくつか持っている点も強みだ」と分析する。
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