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車載向け測位モジュール、小型で低コストを実現:新宿西口や大橋JCT付近でも高い精度で測位(2/2 ページ)
u-blox(ユーブロックス)は、世界最小クラスの車載用推航法GNSS(衛星測位システム)レシーバー「EVA-M8E」について技術説明会を行った。スピードパルスなどの情報がなくても高い測位精度を実現しつつ、機能モジュールの小型、低コスト化が可能となる。
小型でカスタム設計に対応する柔軟仕様
UDRモジュールとしては既に、モーションセンサーや周辺回路部品などを含めワンパッケージに集積した車載用推測航法GNSS(衛星測位システム)レシーバー「NEO-M8U」を発表している。今回のEVA-M8Eはこれに続く製品で、モーションセンサーやTCXO(温度補償水晶発振器)などは外付けとした。このため外形寸法は7.0×7.0×1.1mmと小型である。モーションセンサーなどは機種を選択することができ、「小型でカスタム設計にも適応できる柔軟な仕様となっている」(Bousquet氏)という。
モーションセンサーなど主要な機能をワンパッケージに集積したNEO-M8Uと、これらを外付けとすることで小型化とコスト低減を可能とするEVA-M8Eのシステム構成イメージ (クリックで拡大) 出典:u-blox
2016年内に量産へ
EVA-M8Eモジュールは、2016年6月よりサンプル出荷を始めている。2016年第4四半期(10〜12月)より量産に入る。この他、UDRの評価キット「EVK-M8U」や、EVA-M8Eとアンテナなどを搭載したアプリケーションボード「C93-M8E」も用意している。これらの開発ツールを用いることで開発作業の工程や期間を短縮することができるという。
EVA-M8Eモジュールの用途としては、レーダー探知機やドライブレコーダー、車両警報システム、市販のカーナビゲーション装置など、4輪車両に固定設置できる分野を視野に入れている。
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