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東芝、3D NANDで世界獲るには「量産が課題」WDは不正会計問題についても言及(1/3 ページ)

東芝とウエスタンデジタルコーポ―レーションは、新製造棟「東芝四日市工場新第2製造棟(N-Y2)」の完成に伴い、3次元構造のNAND型フラッシュメモリに関する事業計画について説明した。

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2018年度に売上高9500億円を

 東芝とウエスタンデジタルコーポ―レーション(以下、ウエスタンデジタル)は2016年7月、3次元構造のNAND型フラッシュメモリ(3D NAND)を製造する新製造棟「東芝四日市工場新第2製造棟(N-Y2)」(三重県四日市市)の完成イベントを開催した。

 完成イベントの開催に伴い、四日市工場で記者会見を実施。東芝社長の綱川智氏や、ウエスタンデジタルCEOのSteve Milligan氏、東芝ストレージ&デバイスソリューション社長の成毛康雄氏らが登壇し、3D NANDに関する事業計画を説明した。


N-Y2の完成を祝うパーティーの様子 (クリックで拡大)

 綱川氏は冒頭で、「2016年度の事業計画説明会で発表した通り、注力事業への集中を徹底するとともに、財務基盤の改善を進めていく。その中で、エネルギー、社会インフラ、ストレージの3つの分野を強化する。ストレージ分野における最重要事項が、四日市工場で製造しているフラッシュメモリだ」と語る。

 東芝の2015年度のメモリ事業全体の売上高は8456億円(営業利益率13%)。2016年度は売上高7466億円に減少すると見込んでいるが、スマートフォンやSSDを中心に市場拡大により、2018年度に売上高9500億円(営業利益率10%以上)を目標に掲げる。

 300mmウエハーによるNANDフラッシュ製造を開始した2003年度から2015年度までの業績でみると、2008年度に起こったリーマンショックを除き、約10〜30%の営業利益率で推移しているという。

ビッグデータ・AIは、需要拡大の起爆剤


東芝社長の綱川智氏

 新設したN-Y2は、3D NAND固有の製造工程を行う製造棟との位置付けで、2015年10月の一部建屋の完成を受けて、成膜、エッチングなどの装置を導入し、2016年3月から一部生産を始めている。既存の製造棟である第3、第4製造棟(Y3、Y4)でウエハー加工を行い、N-Y2で積層するといった連携生産を行うことで、投資額を削減している。

 また、2005年から開始しているクリーンルームの搬送システムの自動化を強化した。東芝の説明員は、「製品の運搬を行う搬送車は、3.5m/秒と高速化しているため生産の効率を高められるとともに、クリーン度を保つことができるメリットがある」と語る。

 300mmウエハー対応の製造棟では、4棟を統合した生産システムを採用。製造装置と検査装置を合わせて、1日当たり16億件のビッグデータが発生しているが、2016年からディープラーニングを活用したツールを導入し、生産性、歩留まり、信頼性向上に向けた分析、制御を進めている。

「N-Y2」のクリーンルーム内の様子 (クリックで拡大) 出典:東芝

 例えば、検査画像を1日当たり数十万枚解析したことで得られる欠陥種類の分類や、製品歩留まりの分布から原因となった設備の特定自動化などが挙げられる。東芝は、「ビッグデータ・AI技術は、ストレージ需要拡大の起爆剤」としている。

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