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Fordが“完全な”自動運転車の開発を本格化へ:アナリストからは疑問の声も(3/3 ページ)
Ford Motor(Ford)は、完全な自動運転車の実現に向けて開発を加速させていくという。Fordが狙うのはカーシェアリングや配車サービス市場だが、これらの市場が活性化することは、個人が所有する自動車の数が減るということだろうか。
都市部との協調
自動車メーカーは、こうした変化に対して、効率的に準備を進めているのだろうか。Lanctot氏は、「Fordの完全自動運転車の実現計画に欠けている点は」という問いに対し、「都市での活動の必要性を明言していないという点だ」と答えている。
同氏は、「新しいモビリティーサービスによって、人々の都市内での移動方法が変わるというのであれば、自動車メーカーは、各都市や州と密接に協業する必要がある」と主張する。
同氏はアナリストとして、最近のブログの中で、「自動車の使い方や、自家用車を保有する、しないをめぐり、新しい考え方が登場している。都市は、このような変化の最前線に立っている。自動車メーカーは、各都市と協業することにより、現行の輸送状況を把握して、自社製品が問題の解決に向けてどのように貢献できるのかを検討すべきだ」と説明している。
さらに同氏は、「都市のニーズは、地形や人口、既存の輸送インフラなどによって異なる。例えばラスベガスのニーズは、ロサンゼルスのニーズとは大きく異なる上、それぞれの都市の内部にも多様なニーズが存在する」と付け加えた。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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