Googleが民生機器に本格進出:スマートフォン「Pixel」など(1/3 ページ)
Google(グーグル)が民生機器事業に本格的に参入した。同社のCEOであるSundar Pichai氏は、「あらゆる人々に向け“パーソナルなGoogle”を構築したい」とコメントしている。
民生事業に本格参入
2016年10月4日(米国時間)はGoogle(グーグル)にとって記念すべき日となった。家電が、クラウド上の機械学習サービスによって操作される時代に変わっていく転換期となるかもしれない。
Googleはスマートフォン2種、スマートスピーカー、仮想現実(VR)ヘッドセット、Wi-Fiアクセスポイントを発表した。スマートフォン「Pixel」とスマートスピーカー「Home」には、同社の全ての製品の中で最も戦略的といえる機械学習「Assistant」が搭載されている。
Googleは家電製品にAssistant、音声認識、検索クライアントを組み込むことについて、既に複数の機器メーカーと協議中である。このクライアントコードは現在、ARMの「Cortex-A4」デュアルコア上(256MバイトのRAMおよび256Mバイトのフラッシュメモリを搭載)で動作している。
これらの機器は、2016年10月4日(米国時間)に米国カリフォルニア州サンフランシスコのギラデリスクエアで開催されたプレスイベントで披露された。デモブースのにぎやかな光景を黙って見渡していると、2日前(10月2日)にハードウェア部門のトップとしてGoogleに加わったばかりのDavid Foster氏が現れた。Foster氏は以前、Amazonのハードウェア部門を率いていた人物だ。
Amazon傘下の研究開発企業「Lab 126」にあったFoster氏のチームは、電子書籍リーダー端末「Kindle」の他、買い物リストを作成する「Dash」、スピーカータイプの音声アシスタント端末「Echo」といった製品の開発責任を負っていた。Echoは、スピーカーのないタイプも48米ドルで既に販売されている。一方でGoogleがHomeの出荷を開始するのは2016年11月だ。しかも、価格129米ドルの1バージョンのみである。このことから、GoogleはAmazonに大きく水をあけられているといえる。
筆者が偶然に遭遇したFoster氏に対し、Googleに加わった理由を問うと、同氏は「このように大きなことが始まる時に、そこに加われるチャンスを見つけることはめったにない。Googleにとって、今日は長い旅の始まりだ」と答えた。
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