IoT端末に最適? Apple Watch Series 2の心臓部「S2」に迫る:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(10)(1/3 ページ)
2016年9月に発売されたAppleの腕時計型ウェアラブル端末「Apple Watch Series 2」を取り上げる。中身の大転換が図られたiPhone 7同様、配線経路の大幅な見直しが行われた他、心臓部の「S2」でも新たな工夫が見受けられた。
GPS機能とアンテナ基板の追加
Appleのスマートフォン「iPhone 7」が発売された2016年9月16日、同じくAppleの腕時計型ウェアラブル端末「Apple Watch Series 2」が発売された。Apple Watch Series 2は、Apple Watchの第2世代製品として多くのアップグレードが成されている。GPS機能が搭載されたこと、コンピュータ能力が向上したことなどが特徴として挙げられる。
デザインは、2015年4月に発売された初代Apple Watchのものをほぼ踏襲している。いわゆる“キープコンセプト”となったが、厚みは10.5mmから11.4mmに若干増した。重さも25gから28.2gへと3.2g増えている。電池容量は205mAhから273mAhへと増加、電池容量の増加は体積、重量増加と思われがちだが、初代、第2世代ともに電池単体の重さは4gで変っていない。TAPTICモーターのサイズも重さも初代と同じだ。
初代Apple WatchとApple Watch Series 2で大きく異なっているのは、GPS機能の追加とアンテナ基板の追加である。これらの追加が実際には3.2gの重量追加につながった。
図1は初代Apple WatchとApple Watch Series 2の分解の様子である。電池を取り外してある。Apple Watchは初代から内部にSIP(Silicon In Package)技術を用いたコンピューティング・ボードが用いられている。初代は「S1」と呼ばれるSIPが、Apple Watch Series 2では「S2」という基板がセッティングされている。
SIPが裏返し
初代では電池を取り外すと「S1」の文字が見えるSIPが現れる。しかしApple Watch Series 2では、図1のように、S2基板の文字がない端子面が電池の下に置かれている。
端子はフィルム配線で、Apple Watchの側面の操作ボタン、センサー、ディスプレイなどにつながっている。配線はさらに分岐してスピーカー、マイクロフォン、バッテリー、TAPTICモーターにもつながっている。
基本的な構成は初代Apple WatchもApple Watch Series 2も同じだが、SIP S1とS2の配置が上下反転していることから配線の長さや構造は大きく変化した。
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