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Qualcomm、10nmプロセスのARMサーバチップを発表市場活性化につながるのか(1/2 ページ)

Qualcomm(クアルコム)が、10nmプロセスを適用したARMサーバプロセッサ「Centriq 2400」を発表した。同チップの登場は、いまひとつ勢いがないARMサーバ市場の活性化につながるのだろうか。

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10nmプロセスのARMサーバプロセッサ

 Qualcomm(クアルコム)は、10nmプロセスで製造したARMベースのサーバプロセッサ「Centriq 2400」シリーズをサンプル出荷していることを明らかにした。同社は、10nmプロセスを適用したサーバプロセッサは「世界初」とする。これによって同社は、ARMサーバ市場において主導権を握ったようにも見えるが、問題は、いまひとつ勢いがないARMサーバ市場が、いつ活気づくのかという点だ。

 Qualcommのデータセンター部門でゼネラルマネジャーを務めるAnand Chandrasekher氏は、かつての勤務先であるIntelで得た知識と経験を生かし、最先端プロセスで新市場に切り込んだ。Chandrasekher氏によれば、Centriq 2400の初めての大口顧客になるのは、独自のソフトウェアスタックを展開する大手IT企業や通信企業だという。

 これについてアナリストらは、「筋は通っているが、現段階ではまだ何とも言えない」との見解を示した。


Qualcommのデータセンター部門でゼネラルマネジャーを務めるAnand Chandrasekher氏 出典:Qualcomm

 Tirias ResearchのPaul Teich氏は「ハイパースケールデータセンターがARMベースのサーバプロセッサを採用するようになれば、Qualcommは同市場の新たなトップメーカーとなるだろう。Qualcommには、モバイル事業で培った最先端プロセスノード技術という差異化要因がある」と述べた。

 Centriq 2400のファウンドリーは、恐らくSamsung Electronics(サムスン電子)だろう。Samsungは、Qualcommにとって、スマートフォン向けアプリケーションプロセッサ「Snapdragon」の主要顧客であることからも、両社のパートナーシップは理にかなっている。

 だが、Qualcommがモバイル領域で持つ強みが、サーバ市場での成功への道を開くかどうかはまだ分からない。

 Insight64のNathan Brookwood氏は、「2〜3年前の大方の予想に反して、ARMサーバ市場の成長は鈍い。その要因として、ソフトウェアの成熟度に課題があること、信頼できるARMサーバ向チップベンダーがいなかったことが挙げられる。Qualcommはサーバ市場では新参者だが、その信頼性は誰もが認めるところだ」と分析している。

 Qualcommによれば、Centriq 2400は、同社が「Falkor」と呼ぶ「ARMv8」ベースの64ビットCPUコアが、最大48コア搭載されているという。Falkorは、サーバクラスの負荷向けに最適化されたコアだとしている。Qualcommは、Centriq 2400が、ビッグデータ分析基盤「Apache Spark」や「Hadoop」を動作できることを示した。

 QualcommはCentriq 2400の発表イベントで、同チップがシングルソケットのデバイスであり、ARMのセキュリティ技術である「TrustZone」を実装する予定だと述べた。アナリストのTeich氏は、TrustZoneは、ARMにとってハードウェアベースのルート・オブ・トラスト(Root of Trust:信頼の基点)だと述べ、差異化技術になるとした。

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