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タムロンが新しく狙うのは“人の眼を超える”技術0.003ルクスでも撮影可能

タムロンが2016年11月に発表したのは“人の目を超える”とうたう技術だ。「超高感度」と「広ダイナミックレンジ」を両立し、次の成長を担う一事業として展開を進めるという。

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3つの先端技術を融合


川口浩司氏。手に持っているのは開発した試作機

 人の眼を超越した新たなイメージングの世界を創造する――。光学機器メーカーのタムロンが、2016年11月に発表したのは“人の眼を超える”イメージング技術としている。

 人の眼を超えるとうたう技術は「超高感度」と「広ダイナミックレンジ」を両立したことを指す。人間の目でいう水晶体に値する光学技術、網膜に値するイメージセンサー、視神経に値する画像処理技術の3つで構成されている。

 同技術を搭載した2/3型 フルHD(約210万画素)の試作カメラでは、最低被写体照度0.003ルクス、ダイナミックレンジ140dBを実現。月明かりのような暗い状況でも鮮明に見えるだけでなく、暗くて黒くつぶれてしまうシーンでも鮮明に諧調表現できるという。

 同社新事業推進室で課長を務める川口浩司氏は「超高感度かダイナミックレンジどちらかを実現する製品は存在するが、どちらも両立するのは難しい」と語る。光学ノイズを極限まで低減した同社のコアである光学技術、超高感度に必須な低ノイズと広ダイナミックレンジを実現した独自開発のCMOSイメージセンサー、被写体の解像度を損なわない画像処理技術の3つを最適に融合しなければ実現しなかったと指摘する。

左=夜間に人の目で見たときのイメージ/右=試作機による画像 (クリックで拡大) 出典:タムロン
左=夜間に人の目で見たときのイメージ/右=試作機による画像 (クリックで拡大) 出典:タムロン

 同社では従来のビジネスを進めつつ、さらに進化させた人の眼を超える技術の基礎研究を行ってきた。2014年12月からは科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)の支援を受けている。同社が公的支援を受けるのは初めてのケースだ。新事業推進室を中心に、約20人体制で開発してきたのが今回の成果となる。

2020年に50億円規模の売り上げへ

 当面のターゲット市場としては、セキュリティカメラを考えているという。あらゆる映像分野に適用可能なため、ドローンやアミューズメント機器への展開も狙う。

 長期的に狙う分野としては、自動車分野を挙げた。自動運転時代に向けて、車載カメラの需要はますます拡大するだろう。同社の技術は、トンネルの出入り時など急に明暗が変わる場面で、人の目の変わりとなり得ることが予想される。川口氏は「自動車メーカーも、当社の技術に興味を持っていただいている。しかし、求められる信頼性やコスト面でのハードルがまだ高い。長期的な視野を持って展開を進める」と語る。

 同社では、この人の眼を超える技術を次の成長を担う一事業として見据えており、2017年後半の商品化を予定する。目指すは、2020年に50億円規模の売り上げだ。

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