脳波の状態から自動で作曲を行うAI、大阪大学など:ウェアラブルEXPOに実機を展示
大阪大学の沼尾正行氏らの研究チームは、楽曲に対する脳の反応に基づき自動で作曲を行う人工知能の開発に成功した。音楽で手軽に脳の活性化に結びつけることが期待される。
手軽に脳の活性化を
大阪大学産業科学研究所の教授である沼尾正行氏らの研究チームは2017年1月16日、楽曲に対する脳の反応に基づき自動で作曲を行う人工知能の開発に成功したと発表した。
脳の活性化には、個人の脳波の状態を検知し、それに基づき活性化手段を与えることが求められる。活性化手段は、音楽の提供が有望という。現行の音楽提供システムは、過去に聴いた曲の類似曲を推薦するか、曲の特徴を細かく指定しなければならない自動作曲システムしか存在せず、手軽に脳の活性化に結びつけることが困難だった。
沼尾氏らは、ヘッドフォンと一体化した脳波センサーを開発したことで、曲に対する脳波データの収集を容易にした。収集した曲への反応と脳波の関係を機械学習し、ユーザーの精神状態を活性化させる独自の音楽を容易に生成することを可能にしたとする。作曲結果はその場でMIDIによってアレンジされ、シンセサイザーを用いて再生される。
将来的には、聴衆の反応測定が可能になり、聴衆の脳波反応に基づいた作曲の実現が期待される。家庭で個人の状態を脳波で測定し、個人の状態に合った音楽刺激を用いて、個人の潜在力を常に発揮できるシステム実現も期待されるとした。
同研究成果は、2017年1月18〜20日東京ビッグサイトで開催される「第3回ウェアラブルEXPO」に展示される。なお同研究の成果は沼尾氏に加えて、東京都市大学メディア情報学部で教授の大谷紀子氏、クリムゾンテクノロジー、imecによるものである。
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