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抹殺する人工知能 〜 生存競争と自然淘汰で、最適解にたどりつくOver the AI ―― AIの向こう側に (7)(9/13 ページ)

“人工知能技術”の1つに、生物の進化のプロセスを用いて最適解へと導く「遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)」があります。25年ほど前に私が狂ったようにのめり込んだ技術なのですが、世界的にもファンがたくさんいるようです。そして、このGAこそが、私たちがイメージする“人工知能”に最も近いものではないかと思うのです。

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GAの仕組みを「クリスマスデートスケジュール」で理解する

 では、GAの仕組みを簡単にご紹介したいと思います。

 ナップザック問題とか、巡回セールスマン問題とかは、ネットに山ほどありますので、もっと実用的な問題を考えてみました。名付けて、「クリスマスデートスケジュール問題」です。

 これは、4つのパラメータを最大化する4人の男を選び出すという、実に実用的な問題です。ここでは、(a)ルックス、(b)年齢、(c)年収、(d)将来性の4つの値の合計を最大化することが目的となります。これは、典型的なパレート最適問題になっていまして、例えば、「ルックスを優先すると、将来性が犠牲になる」という状況が発生しやすくなっています。

 今回は問題を簡単にするために、評価関数は、(a)〜(d)の足し算を目的関数としていますが、例えば、「将来性」を重視して、「ルックス」を犠牲にするのであれば、評価関数を( 0.5×(a) +(b) + (c) + 2.0 × (d)) のようにすれば足ります。

 次に、男の友人の評価表を作ります。これがないと、GAにスケジュールの評価をさせることができないからです。

 なお、評価表の評価値は、当然あなたが決めなければなりません。他人の評価なんぞ、あなたにとっては何の意味もないですから。

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