東芝、上場廃止危機もメモリ事業は好調:メモリ事業直近利益率は23%超(1/2 ページ)
東芝は2017年4月11日、2017年3月期第3四半期(2016年4〜12月期)決算を発表した。
独立監査人の適正意見得ずに異例の決算発表
東芝は2017年4月11日、発表が遅れていた2017年3月期第3四半期(2016年4〜12月期)決算を発表した。今回、発表した決算は、独立監査人から決算内容が「適正」との結論を得ず、独立監査人の結論不表明という状態での異例の発表となった。
東芝社長の綱川智氏は独立監査人からの適正意見表明を受けない中での決算発表について「独立監査人のご理解を得るべく、調査を尽くしてきた。適正意見表明を得るメドがたたないため、極めて異例だが不表明という形で決算発表に至った」と話した。公表した決算内容についても「(内容には)自信がある。60万件のメールをチェックするなど調査しても、何も会計に影響するようなことは出てこなかった」と言い切った。
適正意見表明のない決算開示は、東京証券取引所(東証)の上場規則に抵触する恐れのあるもので、上場維持も危ぶまれる状況だが綱川氏は「東証が判断することであり、コメントは控える」とした上で「上場廃止にならないように懸命に努力する」と語った。
エネルギー事業除き増益
開示した2017年3月期第3四半期決算(9カ月累計)は、売上高3兆8469億円(前年同期比1666億円減)、営業損益5763億円の赤字(同比3444億円の悪化)、当期純損益5325億円の赤字(同比531億円の悪化)。売上高は主に欧米での消費者向けPC販売事業撤退影響が響き、前年比減収。損益面については、原子力事業におけるのれん減損7166億円により大幅な損失計上となった。この結果、株主資本はマイナス2257億円で、債務超過に陥った。
2016年10〜12月3カ月間のセグメント別売上高は、エネルギーシステムソリューション事業とストレージ&デバイスソリューション事業の2事業のみが増収。セグメント別営業損失は、エネルギーシステムソリューション事業を除き前年同期比増益、黒字を達成している。
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