おうちにやってくる人工知能 〜 国家や大企業によるAI技術独占時代の終焉:Over the AI ―― AIの向こう側に(11)(5/9 ページ)
今回のテーマは「おうちでAI」です。といっても、これは「AIを自宅に実装すること」ではなく、「週末自宅データ分析およびシミュレーション」に特化したお話になります。さらに、そうなると避けては通れない「ビッグデータ」についても考えてみたいと思います。そして、本文をお読みいただく前に皆さんにも少し考えていただきたいのです。「ビッグデータって、いったいどこにあるのだと思いますか?」
ビッグデータ解析
ここから、後半になります。
今回は、AI技術では言うまでもなく、AI技術と無関係な分野であっても、避けては通れない、ビッグデータ解析についてお話したいと思います。
といっても、ビッグデータの解説記事など、検索すればヤマほど出てきますので、今回は、「週末自宅データ分析」という観点に集中して、論じたいと思います。
2〜3年前、新聞の第1面にヤマのように登場していた「ビッグデータ」ですが、今や「人工知能」という用語に置き換わった感があります。これが、現在どのような状況にあるのか(「ユビキタス」とか「ロングテール」とか「Web 2.0」とかのように消えてしまったのか)を、調べてみました。
このように、日本ではピークを越えた感じがありますが、「ビッグデータ」という言葉が消えているとは言えません。また世界的に見れば、“Big Data”の記事が、いまだに増加傾向にあることが分かります。私は、これは「人工知能」技術が「ビッグデータ」と抱き合わせになっているからではないか、と考えています。
ところで、私はかつて、会社の業務で、数千万行のデータ処理を命じられ、その中から「それがどんなものかは知らんが、売り上げに貢献する傾向(トレンド)を見つけ出せ」という、当時のビッグデータ幻想に狂っていた、典型的なエライ人のムチャな命令で ―― この世の地獄を味わった一人です。
『ゴミ箱の中にはゴミしか入っておらず、そのゴミ箱が100万個、1億個に増えても、そこに、間違ってもダイヤモンドが入っているわけがない』 ―― この当たり前の事実すら分からなくさせてしまう「技術バズワード」が、私は、いつだって大っ嫌いです。
そして、私が今回調べた限り、ビッグデータに関する広告や記事の中には、その地獄の中で私が体験した3つの事項(以下に列挙)に対する記載がありませんでした。
はっきりいって、この事実を、悪意で意図的に隠蔽(いんぺい)しているとしか思えないほどです。
ダイヤのようなトレンドデータは出てこない
ビッグデータの取り扱いの大半は、小学生の計算ドリルや漢字の書き取り以上に単調で、気が遠くなるほど膨大な作業時間がかかり、そして、多くの場合、その犠牲に見合った成果「ダイヤモンドのようなトレンドデータ」は出てきません。
もしあなたが「ビッグデータ解析で業績が2倍アップした」とかいう記事を目にしたら、ぜひ、私に紹介してください。私が徹底的に検証します。大抵の場合は、ビッグデータ解析うんぬん以前に、自社の財務や製品計画の定量化(数値化)も行わずに、会社経営を続けてきた、マヌケな会社の話であることが多いです。
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