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米半導体業界、ポスト・ムーアの技術を模索DARPAがプロジェクトを募集(1/2 ページ)

米国防高等研究計画局(DARPA)は、来たる「ムーアの法則」の終息に備え、“ポスト・ムーア時代”の技術の模索を本格化させている。材料、アーキテクチャ、設計の自動化の3つにターゲットを絞り、まずは2億米ドルを投資してプロジェクトを行う予定だ。

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「ポスト・ムーアの時代」に備えて


画像はイメージです

 2017年7月に、米国ワシントンD.C.とカリフォルニア州サンノゼで、米国エレクトロニクス業界の活性化を目指し、約5億米ドル規模のプログラムを始動させるためのイベントが開催された。いずれのイベントでも、“ポスト・ムーアの時代”の到来に向け、新しい材料やアーキテクチャ、設計プロセスなどの開発を目指し、幅広い技術コミュニティーからの情報提供を求めるイベントとなった。

 米国防高等研究計画局(DARPA:Defense Advanced Research Project Agency)の管轄化にある「Electronics Resurgence Initiative(ERI)」は、軍事および技術業界の両方のニーズへの対応を目指している。DARPAは、こうした取り組みに計2億米ドルを投じる予定で、その中には、2018年度予算として新たに追加された7500万米ドルも含まれているという。

 DARPAのマイクロシステム技術室担当ディレクターであり、プログラムの責任者を務めるBill Chappell氏は、EE Timesとの電子メールのやり取りの中で、「業界に対して特定の費用分担を求めることはないが、各企業の営利事業に対する取り組みの価値に応じた対応が必要になるだろう。われわれとしては、1対1の費用分担が適切だと考えている」と述べる。

 DARPAは、2つのイベントからのフィードバックを、2017年9月に発表する予定のプロジェクト募集の中でさらに検討していく予定だ。承認されたプロジェクトはそれぞれ、計画に基づき成果を挙げていくことになるが、DARPAのプロジェクト期間は通常、4年間と定められている。

 巨額の資金が投入される予定だが、野心的なプログラムの割には、その投資規模は比較的小さいといえるだろう。同プログラムでは、“ポスト・ムーア”の分野における研究を加速させることを目指す。

 DARPAは、ERIのWebサイト上で、「こうした分野の例としては、新材料や機能ブロックの統合、設計の自動化、大規模な機能ブロックおよびアーキテクチャの再利用などが挙げられる」と述べている。

 米半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)のプレジデントを務めるJohn Neuffer氏は、2017年6月に投稿したブログ議事の中で、こうした取り組みを賞賛しながらも、現在、他の半導体関連の取り組みや機関などを削減する提案がなされている状況にあるという点を指摘している。


2012年に発表されたプロジェクトの指標 出典:DARPA

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