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空港は最先端技術の発信地、羽田空港で公開実証訪日客の増加が後押し(2/3 ページ)

訪日外国人が年々増加する中、羽田空港の国際線旅客ターミナルは、誰もが使いやすい空港を目指して、ユニバーサルデザインの採用に積極的に取り組んできた。その一環として、NTTとパナソニックがそれぞれ開発した技術の実証実験を2015年末より行ってきたが、実際に利用客に使ってもらう公開実証をいよいよ開始した。

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レストラン案内にも応用

 なお、交通案内サイネージは、電車の乗り換え案内サービスなどを提供するジョルダンと協業して開発された。そのため、時刻表に変更があった時でも、最新のバージョンにアップデートできるという。


スマートフォンをかざすと、経路案内が表示される

 LinkRayを使った案内は、京急線の切符売り場や、レストランの案内板にも採用されている。スマートフォンをかざせば、経路案内や、目当てのレストラン、ショップへの案内図が表示される。

左=京急線の切符売り場。スポットライトに使用しているLEDからID信号を発信し、路線図に当たって反射した信号をスマートフォンで読み取る/レストランの案内板にスマートフォンをかざしている様子。画像の赤枠は、「LinkRay」が搭載されていることを示している(クリックで拡大)

斜め方向からでも案内板を読み取れる

 NTTは、同様に、スマートフォンをかざして経路を表示する技術「かざして案内」を、空港内の案内看板に応用した。専用アプリはなく、Webブラウザだけで動作する。専用サイトにアクセスするとスマートフォンのカメラが起動するので、案内看板の写真を撮ると、画像認識技術によってその看板の内容を識別し、案内経路をスマートフォン画面に表示する。


「かざして案内」を、筆者のスマートフォンで実際に試してみた。図版は全て、スマートフォンの画面のスクリーンショット。(1)TIATのトップ画面。下部の「Kazashite」(赤枠で囲まれた部分)をクリックすると、カメラが起動する(2)カメラで案内看板を撮影する(3)画像認識で看板を判別し、自動的にこの画面に遷移する(4)「行き方」をクリックすると、今いる地点からの経路が表示される(クリックで拡大)

 「かざして案内」には、NTTが開発した画像認識技術「アングルフリー物体検索技術」を活用している。空港などの混雑する施設では、案内看板を必ずしも真正面からスマートフォンでかざすことができない場合もあるが、アングルフリー物体検索技術は、斜め方向からでも高精度に認識できることが特長だ。NTTの説明員によれば、正面から左右に60度近くずれても画像を正しく認識できるという。そのため、一般的な画像認識技術では、ある物体を認識するために、さまざまな角度から撮影した約100枚の画像がデータベースとして必要になるが、同技術を使うと、「正面」「右から」「左から」撮影した3枚だけでよい。「専用アプリが不要で、Webブラウザだけで動作するのも特長だ。開発の手間が省けるし、ユーザーもアプリをダウンロードする必要がない」(NTTの説明員)

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