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「非正規雇用」の問題は、「国家滅亡に至る病」である世界を「数字」で回してみよう(42) 働き方改革(2)(7/11 ページ)

ネガティブな面ばかりがフォーカスされる「非正規雇用」ですが、実際はどうなのでしょうか。今回は、「バーチャル株式会社エバタ」を作り、非正規雇用が会社にもたらす効果をシミュレーションしてみました。さらに、非正規雇用に起因する社会的問題が、なぜ看過できないものなのか、そこに存在する深い闇をまとめていきたいと思います。

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「(バーチャル)株式会社エバタ」でシミュレーションする

 さて、今回、この「非正規労働」やら「能力」やらを、力づくで数値に置き換えて、シミュレーションをやってみました。

 このシミュレーションでは、「非正規社員」が、どのような機能を果しているかを、視覚化することを目的とするものですので、あまり細かいことは気にしないようにしてください。

 さて、ここで採用する労働力の単位ですが、『まあ、給与というのは、基本的に労働対価に支払われるんだろう』という、経済分野のド素人らしい考え方で、単純に給与の統計データから算出しました*)

*)もしかしたら「え、私って、新人2人分くらいしか役に立っていないの?」とショックを受けている人もいるかもしれませんが、実際のところ、新人は教育コストが必要で、労働力どころか負債になっているという面もありますので、あまり真面目に考えないようにしてください。

 さて、上記の2つのシミュレーション(ソースコードのサンプルはこちら)の結果を示します。

 (バーチャル)株式会社 エバタは、いーかげんな会社でして、経営予測など全くしない場当たり的な経営をしている会社です(まったく、社長の顔が見たいものです

 もうかっていれば、どんどん非正規社員を雇用し、一度赤字になれば、非正規社員の事情も考えず、一気に解雇してしまいます。そのくせ、正規社員の雇用だけは、しっかりと守り続けるという、労使がもろに癒着している、典型的な日本の中小企業の1つです。

 さて、この2つのシミュレーションの結果、「非正規社員」を使う、使わないでは、どちらが会社としてもうかるかは、火を見るよりも明らかです。

 「株式会社エバタ」はわずか20年で、4倍を超える自己資産を獲得できています。

 これは、会社の都合で社員を増減できる、いわゆる「調整弁」として、非正規社員を便利に使っているからです。さらに、正規社員もきちんと採用を続けることで、会社の潜在的労働力を一定数確保し続けることができるという、メリットもあります。

 つまり、

非正規社員は、会社と正規社員を守るために、都合よく使われている

という実体が、この程度の単純なシミュレーションでも、数値で簡単に示せるのです。


非正規社員は、会社と正規社員を守るために、都合よく使われている

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