データ処理のボトルネック、FPGAで解決:IoTからデータセンターまで(1/3 ページ)
Intelのグループ会社である日本アルテラは、東京都内で「インテルFPGAテクノロジー・デイ(IFTD17)」を開催した。IoTからデータセンターまで、スマートにつながる未来を実現するためのFPGAソリューションを提案した。
FPGA製品がインテルの成長をさらに加速する
Intel(インテル)のグループ会社である日本アルテラは2017年10月11日、東京都内で「インテルFPGAテクノロジー・デイ(IFTD17)」を開催した。本稿では、インテルFPGAの最新動向などに触れた基調講演を中心に、その概要を紹介する。
Intelは、2015年12月にFPGA大手のAltera(アルテラ)を買収し、まもなく2年を迎える。インテル(日本法人)の社長を務める江田麻季子氏は冒頭のあいさつで、「FPGA製品はインテルのポートフォリオにおいて欠かすことができない製品。インテルファミリーにアルテラが加わり、インテルの成長をさらに加速することが可能となった」と述べた。
「データカンパニー」としての技術革新を、企業成長の原動力と位置付ける同社は、10nmプロセス技術を用いたFPGA「Falcon Mesa(開発コード名)」や、包括的なハードウェア、ソフトウェアプラットフォームソリューションなどを相次ぎ発表。IoT(モノのインターネット)からデータセンターまで、スマートにつながる未来を実現するために、最新のFPGAソリューションを提供する。
基調講演は、「インテルFPGA:スマートにつながる世界を加速」をテーマに、Intelプログラマブルソリューションズ事業本部カスタマーエクスペリエンスグループ担当副社長のリナ・ラマン氏が行った。インターネットにつながる機器が増え、そこから生み出されるデータ量は爆発的に増加する。例えば、「インターネットにつながる機器は現在の80億台から、3年後には500億台へと約6倍に増える。Ciscoの推定によれば、その時のIPトラフィック量は年間2300エクサバイトに達する見通し」だという。増え続けるデータ量を効率よく処理するためには、コンピューティングのボトルネックを早急に解消する必要がある。インテルは、FPGAがそれを可能にするキーテクノロジーだと位置付ける。
ラマン氏は講演で、コンピューティングの変革が必要な領域として6つの分野を挙げた。それは「5Gワイヤレス」「レーダーおよび、航空宇宙」「ネットワーク」「クラウドコンピュータ」「スマートシティー」「自動運転」である。
これらの領域で、ヘテロジニアスコンピューティングアーキテクチャへの移行を提唱する。汎用および、専用アクセラレーターとしてFPGAやASSP、ASICなどを活用し、ボトルネックとなる部分のデータ処理を加速することで、その課題を解決することができるという。特にFPGAを用いると、ハードウェアの高い性能とソフトウェアの柔軟性、優れた電力効率を実現することが可能となる。
ラマン氏は、データベースの分析、ストレージ圧縮、ゲノム配列決定などにおけるヘテロジニアスコンピューティングアーキテクチャの採用事例やその効果なども、具体的な社名や数値を挙げて紹介した。
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