いよいよ組み込みプロセッサにFinFETを適用 NXP:embedded world 2018(2/2 ページ)
NXP Semiconductorsは「embedded world 2018」で、14nm FinFETプロセスを適用した組み込み向けの汎用アプリケーションプロセッサ「i.MX 8M Mini」を発表した。NXPは、「これまで主にスマートフォン向けのプロセッサに使われてきたFinFETプロセスが、いよいよ組み込みプロセッサにも適用される」と強調する。
無線モジュールとi.MXを積層
さらに、Arm「Cortex-A7」コアを搭載したプロセッサ「i.MX 6ULL」と、村田製作所のWi-Fi/Bluetooth 4.2モジュールを積層した「IoT-on-a-Chip」も発表。IoT(モノのインターネット)のエッジコンピューティングや、Android対応のIoT機器といった用途に向ける。外形寸法が14×14×2.7mmと小型なことから、実装面積の削減に貢献するという。同製品は、2018年後半に提供を開始する予定だ。
発表したばかりのEV向け「GreenBox」も
2018年2月21日に発表したばかりの、EV(電気自動車)/HEV(ハイブリッド車)の開発プラットフォーム「GreenBox」も展示した。GreenBoxは、NXPの車載向けコンピューティングアーキテクチャ「NXP S32プロセッシングプラットフォーム」に向けた開発プラットフォームだ。同プラットフォーム向けの新しいCPUおよびMCUは、ArmのCortex-Mコア/Cortex-Rコア/Corex-Aコアベースとなる予定で、NXPのVehicle Dynamics and Safetyで製品マネジャーを務めるBrad Loane氏によれば、実際のチップは2019年に発表される見込みだという。
Loane氏は、「EV市場は、(中国やインドなど)EVを推進する各国の政策により、今後大きな成長が予測される。それだけに、以前からティア1サプライヤーなどから、EV開発に向けた何らかのプラットフォームはないのか、という問い合わせをもらっていた。スケーラブルなGreenBoxは、EV開発の短縮に大いに貢献するだろう。さらに、当社が既に発表している、自動運転車開発向けのプラットフォーム『BlueBox』とGreenBoxを組み合わせて、開発を進めることもできるだろう」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 車載用マイコンが内蔵する不揮発性メモリ
今回から数回にわたり、2017年12月に開催された「IEDM」で行われた車載用の埋め込み不揮発性メモリに関する講座の模様を紹介していく。 - NXP、次世代EV/HEV向け開発基盤「GreenBox」を発表
次世代電気自動車(EV)/ハイブリッド自動車(HEV)の早期開発を支援する自動車電動化開発プラットフォーム「GreenBox」を、NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)が発表した。 - 車載半導体首位・NXPの製品/技術戦略を幹部に聞く
車載半導体シェア首位ながら、Qualcommによる買収を間近に控えるNXP Semiconductors。今後、どのような車載半導体ビジネス戦略を描いているのか。同社オートモーティブ事業部門の最高技術責任者(CTO)を務めるLars Reger氏に聞いた。 - QualcommのNXP買収、業界に及ぼす影響(前編)
Qualcomm(クアルコム)が、NXP Semiconductors(NXPセミコンダクターズ)の買収を正式に発表した。この買収の影響を、車載分野を中心に検証していきたい。 - Qualcomm/NXPの合併に立ちはだかる米中政府の壁(前編)
QualcommによるNXP Semiconductorsの買収は、2016年に発表された大型M&A案件の1つである。この買収は2017年末に完了する見込みだが、米国政府と中国政府という2つの大きな壁によって、買収完了が長引く可能性がある。 - ムーアの法則から離れることで、より自由に
半導体集積回路技術の国際会議「ISSCC 2018」が米国で始まった。初日の基調講演でAnalog Devices(ADI)のCEOは、「ムーアの法則から離れ、周りを見回すことで、本当に面白いことに向かって進んでいける」と語った。