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データ専門家でなくともAIを、DataRobotが新サービス“AIの民主化”を推進(1/2 ページ)

機械学習自動化プラットフォームを提供する「DataRobot」は、同社のツールおよび機械学習による分析を行うための教育プログラム、企業のAI(人工知能)導入を支援するコンサルティングをパッケージングした「AI-Driven Enterprise Package」の提供を2018年4月より開始する。

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企業課題へのAI導入を組織的に支援する「AI-Driven Enterprise Package」

 AIベンチャーのDataRobotは2018年3月12日、東京都内で記者会見を開催し、同社の機械学習プラットフォーム「DataRobot」を中核とした、企業へのAI(人工知能)導入パッケージ「AI-Driven Enterprise Package」の提供を2018年4月より開始すると発表した。本パッケージによって、データサイエンティストが持つデータの解析技術を業務部門で働く社員など非分析専門家に移譲し、企業全体でのAI活用を推進させるという。


シバタアキラ氏

 会見では、同社チーフデータサイエンティストのシバタアキラ氏が同製品を提供する意義を説明。同氏は、ビジネスの場面でデータ解析を行うことができる専任人材が非常に限られていると指摘する。その理由として、現場で使えるデータサイエンスには数学と統計の基礎知識やプログラミングスキルが求められるほか、ビジネス上の課題把握やデータを理解できる業務知識を兼ねそろえている必要があるためとする。

 シバタ氏は、このような人材の希少性を架空の動物である“ユニコーン”にたとえ、「データサイエンス系のPh.D.(博士号)を持っていると、アメリカでは初任給で3000万円を提示する企業がある」と語った。

 そのため同社では、従来限られたデータサイエンティストだけが可能だった業務へのAI活用を、専門家ではないがデータ分析に長けた「市民データサイエンティスト」、さらにはデータ分析経験の有無に関わらず自社ビジネスの理解がある人にまで門戸を広げることで、ビジネスでのAI活用を広く一般化する“民主化”を目指しているとする。

左:AIの民主化に関するイメージ 右:AIの民主化により期待できる効果(クリックで拡大)

 シバタ氏はこれまでリクルートや三井住友カードなど同社顧客のAI導入を支援してきた経験から、「事業へのAI展開を実現するためには、ツールや手法の提供だけでなく、組織づくりとサポート体制が重要なことが分かった」(シバタ氏)とする。そこで同社は、顧客社内に市民データサイエンティストを育成するための教育プログラムと、顧客事業へ深く入り込み、AI導入に対するコンサルティングを提供するAI-Driven Enterprise Packageの提供を開始するとした。


AI-Driven Enterprise Packageの概要(クリックで拡大)

 同パッケージの価格は非公開。提供期間は数カ月から1年間を想定し、米国市場の顧客では数年単位で提供している企業も存在するという。最大50人分のDataRobotライセンスが付属し、教育プログラムは受講者の役職や職務に応じて各種コースを設定している。

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