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香港の見本市、エレ系中小企業が知るべき利点とは9万人が訪れる(2/4 ページ)

香港では、アジア最大規模のコンシューマーエレクトロニクスの見本市「香港エレクトロニクス・フェア(春)」と「International ICT Expo」が開催中だ。日本国内では報道が少ない展示会だが、世界中のバイヤーが注目する大規模な展示会である。

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「“AIの冬の時代”は、もう来ない」


香港大学のNorman C. Tien氏 写真提供:香港貿易発展局

 香港エレクトロニクス・フェアでは、「AI(人工知能)×ロボティクス」が大きなテーマの1つとなった。専門家を招いてAI×ロボティクスのトレンドを解説するシンポジウム「AI, Robotics and Unmannned Tech」では、香港大学でDean of the Faculty of Engineeringを務めるNorman C. Tien氏が登壇し、「“AIの冬の時代”は、恐らく2度と来ないだろう」と語った。

 AI分野では、ばく大な額の投資が進んでいる。特に、すさまじい勢いで資金を得ているのが、AI技術開発を手掛ける中国のスタートアップ企業だ。CB Insightsのレポートによると、2017年、AI関連のスタートアップ企業には、世界の合計で152億米ドルが投資されたが、そのうちの48%は中国が獲得しているという。38%は米国だ。さらに、Tien氏によれば、2017年に、AI関連の学術論文を最も多く発表したのが中国だという。

 同氏は、「ご存じのように、AI技術は、ブームと“冬の時代”を過去に2度繰り返してきた。だが、膨大な金額の投資が進んでいる今回の第3次AIブームの後には、恐らく冬の時代は来ないのではないか」と述べ、「例えば市場調査会社のIDCは、2020年には、新たに導入された産業用ロボットのうち45%が、予測解析や自己診断などのインテリジェンス機能を備えるようになると予測している。ロボットが、よりスマート化するには、AI技術の搭載が欠かせない」と続けた。

 Tien氏は、「第3次AIブームでは、AIとロボティクスの組み合わせによって、センサーをはじめ多くの電子部品を巻き込み、エレクトロニクス業界全体を底上げしていくだろう」と述べる一方で、「来るAI+ロボティクスの時代に対して、業界は本当に準備ができているのだろうか」という疑問も投げかけた。


ASTRIのLeong Mei-kei氏 写真提供:香港貿易発展局

 香港の公的研究機関であるThe Hong Kong Applied Science and Technology Research Institute(ASTRI)のCTO(最高技術責任者)を務めるLeong Mei-kei氏は、「特に、機械学習(マシンラーニング)の専門家を確保したり、育成したりするのが極めて困難になっている」と語る。同氏は「こうした状況では、機械学習をいかに容易に使えるような仕組みを作るかが重要になるだろう。クルマの運転に例えるならば、『全員にクルマの運転方法を教えるのか』、それとも『運転方法を知らなくても動くようなクルマを開発するのか』といえるかもしれない。われわれが機械学習のシステムで必要なのは、後者ではないだろうか」との見解を述べた。

 会場では、画像認識機能などを搭載したコミュニケーションロボット、家庭用ロボットのデモや展示が目立った。NEC Hong Kongは、高齢者と会話することを目的としたロボット「Humane」を出展。同社によれば、実際に導入されている高齢者向け施設では、ロボットと積極的に会話することで、表情が明るく生き生きとしてきた入居者も多いという。

左=NEC Hong Kongが出展した「Humane」 / 中央・右=コミュニケーションロボットの展示が目立った(「どこかで見たことがあるような……」と思ったロボットもあった……)(クリックで拡大)

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