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香港の見本市、エレ系中小企業が知るべき利点とは9万人が訪れる(4/4 ページ)

香港では、アジア最大規模のコンシューマーエレクトロニクスの見本市「香港エレクトロニクス・フェア(春)」と「International ICT Expo」が開催中だ。日本国内では報道が少ない展示会だが、世界中のバイヤーが注目する大規模な展示会である。

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赤ちゃんのバイタルサインをモニタリングする靴下

 香港のPeacifyは、赤ちゃん用のスマート靴下を展示した。搭載されているセンサーで、血中酸素濃度や体温、心拍などのバイタルサインをモニタリングできるもので、異常値を検知すると親のスマートフォンにアラートが送信される。同社は2016年に設立され、5人の従業員がいる。もともと就いていた職業は全員異なるが、共通していたのが、もうすぐ子供が生まれる、もしくは乳児がいるということだった。「こういうものが、あればいいのに」という思い付きから、赤ちゃん用スマート靴下の開発、そして起業に至ったという。これから実証実験などを行い、2018年末には製品として販売を開始したいとしている。


赤ちゃん用のスマート靴下。センサーは取り外し可能にする予定だという(クリックで拡大)

 韓国のスタートアップであるAI PLATFORMは、目の虹彩認証技術を提供する。同社は虹彩認識システム向けのハードウェアおよびソフトウェアの開発と販売を手掛けていて、韓国の大手銀行であるWoori Bank(ウリィ銀行)には、PCにアクセスする際の認証システムとして、AI PLATFORMのシステムが約500台、試験的に使用されているという。さらに、同社が開発した、虹彩認証のみで支払いが行われるシステムも、韓国内の複数の店舗で試験的に導入されている。虹彩の情報とクレジットカードの情報をひも付けて事前登録しておくと、虹彩認証のみで支払いができるシステムだ。


虹彩認証を使ったアクセス制御システム「A-Eye」に、虹彩の情報を登録している様子(クリックで拡大)

 同社のCEO(最高経営責任者)を務めるAndrew Shin氏は、「バイオメトリクス認証技術はいくつかあるが、指紋や静脈(手のひら)に比べ、虹彩認証はEER(等価エラー率)が飛び抜けて低く、不正しにくい。当社は、より使いやすい虹彩認証システムを開発することで、韓国だけでなく、世界市場に積極的に参入していきたい」と語った。

 その他、スタートアップ企業が出展したプロトタイプや製品を、幾つか紹介する。


香港のスタートアップDigital Oasisが開発した、壁掛けスピーカー「Visual Sonic」。スマートフォンとBluetoothで連携して使う。布に仕込んだ特殊な化合物が、音の波形を増幅することで、スピーカーの役目を果たすという。Digital Oasisは音声制御技術を手掛ける企業で、創設者でCEO(最高経営責任者)のStephen Lam氏(写真)によれば、Visual Sonicと、Amazon「Alexa」を連携して照明などをコントロールできる次世代品も開発中だという(クリックで拡大)
台湾のスタートアップTaiwan 3D Techが開発した簡易3Dプリンタ。写真左のようにスマートフォンをセットし、レーザーやUVライトを使わず、スマートフォンのディスプレイからの光で樹脂を固めるという。5年を費やして、そのような樹脂を開発した。写真右は、同3Dプリンタで作成した恐竜の模型。同社はクラウドファンディング「Kickstarter」で、16万米ドルの資金を調達することに成功している(クリックで拡大)

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