XilinxがDaimlerと協業、「自動運転の主役はFPGA」:低レイテンシで拡張性が高い(1/2 ページ)
Xilinxは2018年6月26日(米国時間)、Daimler AGと自動運転などの車載システム開発で協業すると発表した。Xilinxの車載プラットフォームをDaimler AGに提供し、Mercedes-Benzブランドの市販車に搭載する予定だ。
Xilinxは2018年6月26日(米国時間)、Daimler AGと自動運転などの車載システム開発で協業すると発表した。Xilinxが車載プラットフォームとして展開する、FPGAを中核としたSoC(System on Chip)とAI(人工知能)アクセラレーションソフトウェアをDaimler AGに提供し、Mercedes-Benzブランドの市販車に搭載する予定だ。
同社は今回の発表に先立って、記者向けに同社車載事業の説明会を開催し、車載担当シニアディレクターを務めるWillard Tu氏が、自動運転分野におけるFPGAは「GPUよりも低レイテンシで、ASICよりも高スケーラビリティ」の利点を持つと強調した。
好調な車載事業、自動車業界からの期待もかかる
まず説明会のはじめに、Tu氏は同社車載事業の好調さをアピールした。前期となる2018会計年度のXilinx全社の売上高は、前期比8%増の25億4000万米ドル。エンドマーケット別にみると、放送/民生機器および車載領域の売り上げ構成比は前年同期比2%増の18%と、年々増加の一途をたどっている。
Tu氏は車載事業がこれから最も成長分野になるだろうとの見方を示し、「XilinxのFPGAを採用するOEM(自動車メーカー)やTier1は過去5年間で着実に増えてきた。2018年には29社のOEMが111の車種に搭載する」とする。なかでもADAS分野におけるセンサーフュージョンやセンターコントロール領域で自動車業界から同社に掛かる期待が増えているという。
実際に、フロントカメラ市場では2017年に38%のマーケットシェア、LiDAR(ライダー)市場では推定で90%以上のシェアを有しているとして、「67社もの、LiDARを開発するほとんどのスタートアップと協力関係を結んでいる」とする。
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