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半導体レーザーとシリコン光導波路を接続する技術(後編)福田昭のデバイス通信(159) imecが語る最新のシリコンフォトニクス技術(19)(1/2 ページ)

後編では、半導体レーザーとシリコン光導波路を接続する技術のうち、シリコンウエハーにレーザーダイを貼り付ける「ダイ・ウエハー・ボンディング」と、シリコンウエハーにレーザーダイをフリップチップ接続する「フリップチップ・レーザー」について解説する。

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シリコン光導波路のウエハーにInP系レーザーダイを貼り付ける

 今回は前後編の後編である。前編を覚えておられない方や未読の方は、一度、前編を読まれてから、本編をお読みすることを強くおすすめする。

 後編では、半導体レーザーとシリコン光導波路を接続する代表的な3種類の技術の中で、残りの2つをご紹介する。1つは、シリコンウエハーにレーザーダイを貼り付ける方式(ダイ・ウエハー・ボンディング)である。もう1つは、シリコンウエハー(あるいはシリコンダイ)にレーザーダイをフリップチップ接続する方式(フリップチップ・レーザー)である。いずれもレーザーに必須の光共振器(反射鏡)の全部あるいは一部をシリコン光導波路に形成しているという、共通の特徴を備える。

 シリコンウエハーにレーザーダイを貼り付ける方式(ダイ・ウエハー・ボンディング)は、Intelとカリフォルニア大学サンタバーバラ校が共同で開発した。シリコン光導波路を形成したシリコンダイ、あるいはシリコンウエハーに、InP系半導体レーザーを貼り合わせる。ここで重要なのは、InP系半導体レーザーの細長い発光部と、細長いシリコン光導波路が物理的に重ね合わされることである。


シリコンウエハーにレーザーダイを貼り付ける方式(ダイ・ウエハー・ボンディング)の概要。Intelとカリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB:University of California, Santa Barbara)が共同で開発したもの。出典:Intel(クリックで拡大)

 両者が重ね合わされているので、InP系レーザーダイで発生した光は、シリコン光導波路へと導かれる。シリコン光導波路には回折格子(グレーティング)による反射鏡の共振器が形成してあり、光を反射してInP系レーザーに戻すことで、光を増幅するとともに、波長の選択性を高めている。

 この方式の優れている点は、数多くの半導体レーザーとシリコン光導波路を配列して一気に接着できることだ。原理的には、1000個を超える半導体レーザーとシリコン光導波路を一括して接続することも可能である。超多チャンネルの波長多重光源を形成できる。


シリコン光導波路の回折格子(グレーティング)型反射鏡によってInP系レーザーの光を共振させる構造の概念図。出典:Intel(クリックで拡大)

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