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2019年も大注目! 出そろい始めた「エッジAIプロセッサ」の現在地とこれからこの10年で起こったこと、次の10年で起こること(31)(2/3 ページ)

2018年に登場したスマートフォンのプロセッサの多くにAI機能(機械学習)を処理するアクセラレーターが搭載された。そうしたAIアクセラレーターを分析していくと、プロセッサに大きな進化をもたらせたことが分かる。こうした進化は今後も続く見通しで、2019年もAIプロセッサに大注目だ。

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現行のAIアクセラレーターの現在地

 図2はAIアクセラレーターを搭載するAppleの2017年プロセッサ「A11 BIONIC」と2018年の「A12 BIONIC」のチップ全体写真の内、AIアクセラレーター部を着色したものだ。前者は10nm、後者は7nmで製造されている。集積密度は10nmから7nmへの微細化によって1.688倍高まっている(チップサイズ測長とApple発表のトランジスタ数から算出)。


図2:Apple製プロセッサ「A12」は前世代の「A11」に比べ、NPU性能は6倍以上向上 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 A11から顔認証用に新たに搭載されたNPUは、A12ではおおよそ6〜7倍の性能向上を果たしている。Appleの公式Webサイトにも本値は公表されている。なお、1TOPSとは1秒間に1兆回の演算を行うという意味である。A12のNPUは5TOPSなので、NPUを構成する8ビットの小さな演算器を1秒間に5兆回、回すわけだ。ドットプロジェクターと赤外線カメラから取得した画像データをNPUで機械学習して顔画像をIDとして活用しているのだ。チップサイズとIPの大きさをそれぞれ測長し、計算することで1TOPSに必要な面積を求めることができる。

機能的にコンパクトで高い性能

 図3は、2018年に発売されたAIアクセラーターを持つプロセッサをテカナリエで解析した結果の極一部である。弊社ではほとんどのプロセッサを入手し同様の解析や算出を行っている(実際には鮮明な写真でレポートを提供している)。冒頭で述べたようにQualcommやMediaTekのプロセッサや車載系プロセッサなども解析済だ。


図3:2018年は各社からAIサポートのプロセッサが登場した (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 図3左は中国HUAWEI傘下の半導体メーカーHiSiliconの最新プロセッサ「KIRIN980」、中央はNVIDIAの新プラットフォーム「Xavier」、右はIntelの空間認識アクセラレータープロセッサ「Movidius Myriad X」のチップ開封(サイズ測長および、プロセス判定済)とAIアクセラレーター部を着色した様子である。AIアクセラレーターはチップのおおよそ数%から10%程度の面積に収まっている。

 チップは工業製品なので小さいほどコストがかからない(面積が大きいとコストは増える/ウエハーからのチップ取得数が決まる)。小さな面積の中に高い性能を詰め込むためには、IPの方式設計から開発を行わねばならない(ルネサスDRPやNSITEXEのDFPの価値はここにある! 新しいIPを取り組むことは価値の創生だ)。機能的にコンパクトで高い性能が出せればより良いわけだ。一方でプロセステクノロジーを進化させ、小型化させることも性能の向上と電力の削減には大きな効果がある。

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