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リーダー不在のIntel、CESで注目されたAMDと明暗Su氏の下で成長するAMD(2/2 ページ)

EE Timesは、「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、複数の経営幹部たちの間で広まっている、「IntelがAMDの買収を検討しているのではないか」という興味深いうわさについて取り上げた。

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IntelにはLisa Su氏が必要

 ここで理解していなければならないのが、「半導体業界の人々は、合併買収の可能性について臆測することが大好きである」という点だ。

 JPRのバイスプレジデントであり、同社の「TechWatch Report」の編集長を務めるKathleen Maher氏は、EE Timesの取材に応じ、「これまでにも、IntelがAMDを買収するのではないかといううわさは、時々出現していた。また、NVIDIAによるAMD買収のうわさもある。もしも、NVIDIAがAMDを買収する場合、特に欧州は大騒ぎになるだろう」と述べる。

 しかし、Intel/AMD合併のうわさを否定する人々も、「Intelは、AMD以上にLisa Su氏を必要としているのではないか」とする見解については受け入れているようだ。

 Su氏は、CESの基調講演で聴衆を魅了した。Maher氏は、「Su氏は、大絶賛されていた。常に素晴らしい成果を上げている。さらに重要なのが、幅広い技術業界が同氏に注目し、強い関心を示しているという点だ」と述べる。

 Su氏のCES基調講演は、転換点となったようだ。スターの誕生である。同氏は、長年にわたって同氏のことを知っている人々にさえも、大きな感銘を与えたのだ。

 Peddie氏は、EE Timesのインタビューに対し、「Su氏は非常に魅力的な人物だ。私は、同氏が米国テキサス州オースティンにあるIBMのワークステーショングループに所属していた当時から、20年来の付き合いがある。同氏は非常に優秀で、AMDの業績を回復させ(当時の株価に注目してほしい)、同社全体の意欲を引き出すことに成功した」と述べる。

 Tirias ResearchのKrewell氏は、「IntelがSu氏を迎え入れたいと思っても、それは非常に難しいだろう」と述べる。

 ほとんどの業界観測筋が、「Intelの経営に携わるには、同社の中で育ってきた人物でなければ難しい」とみている。Peddie氏は、「Intelの経営は非常に困難な仕事だ。同社内でその資格を持っていたとしても、誰もやりたいとは思わないだろう。外部から適任者を(その可能性は極めて低いが)探し出すのも困難だ。GEやIBMから、誰かを引き抜けばいいのだろうか。しかし、外部から引き抜いた経営者によって、AMDが10年前に、またAppleがそれより前に、ほぼ壊滅状態に陥ったことを振り返るべきだろう」と述べる。

 Peddie氏は、男女共同参画の要素についても触れ、「Intelがこれまで、女性の昇進について十分に取り組んできたとは思えない。このために、女性幹部の人数が少なすぎて、選ぶことができないのだろう」と述べた。

 JPRのMaher氏は、「Su氏は優れた手腕を持つため、確実にIntelの経営を担うことが可能だ。AMDは、Su氏のことを非常に高く評価しているようだが、同氏には、Intelを率いるだけの十分な冷静さもある」と述べる。

 リーダー不在のリスクは大きい。Intelのような巨大企業であればなおさらだ。半導体業界は、Intelが、Brian Krzanich氏が2018年6月に突然辞任を発表した後、新しいCEOの任命になぜそれほど手間取っているのか、疑問に思っているのが現状である。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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