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運転者が気づいていない危険だけ通知、画像分析を駆使車載向けHMI技術(1/2 ページ)

三菱電機は2019年1月22日、同社のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)」を活用した「気が利く自然なHMI(Human Machine Interface)技術(以下、HMI技術)」を開発したと発表した。運転者が気づいていない危険だけ、通知するシステムを実現できる。

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「見落とし」をなくす

 三菱電機は2019年1月22日、同社のAI(人工知能)技術「Maisart(マイサート)*)」を活用した「気が利く自然なHMI(Human Machine Interface)技術(以下、HMI技術)」を開発したと発表した。

Maisart:Mitsubishi Electric's AI creates the State-of-the-ART in technologyの略


三菱電機 情報技術総合研究所の虻川雅浩氏

 車載カメラやセンサーの他、三菱電機の「ドライバーモニタリングシステム(DMS:Driver Monitoring System)」を活用し、1)運転者が見ていない方向の危険を通知する、2)運転者の音声を認識し、会話感覚で経路をナビゲートする、という2つの主要機能を実現している。DMSは、赤外線カメラの映像をリアルタイムで分析することで、運転者を認識し、目をつぶっている、顔が下を向いているなどを検知し、運転者に注意を促すシステムだ。

 三菱電機 情報技術総合研究所 知識情報処理技術部で部長を務める虻川雅浩氏は、「カメラやセンサーの搭載により、より安全な走行が可能になってきたが、一方的に車載情報機器から発せられるアラートだと煩わしい。運転者の見落としをなくしつつ、煩わしさも低減することを、今回発表した技術で実現している」と説明する。


運転者が見ていない方向の危険を通知する仕組み(クリックで拡大)

 1)では、例えば交差点で左折しようと一時停止し、左を確認しているとする。その際、右から歩行者が近づいてきたのを車載カメラやセンサーで検知すると、音や、コンソールに搭載したLEDの点灯によって、歩行者の存在を知らせる。Maisartで、DMSやカメラ、センサーの画像分析を行っている。

 ここでポイントになるのが、「運転者が見ていない方向から歩行者が近づいてきた時だけ、アラートを発する」ということだ。DMSによって運転者が見ている方向が分かるから、このようなシステムが可能になる。上記の例でいえば、運転者が見ている左方向から歩行者や自転車が来ている場合には、警告が出ない。


HMI技術のデモ。両脇に小さなモニターを設置し、フロントカメラの映像を表示している。コンソール中央の出っ張った部分がDMS(クリックで拡大)
デモでは、「交差点で一時停止中、運転者が左を確認している」という状況を想定した。運転者は左を見ているので、歩行者が右から来た場合のみ警告している

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