鈍化するNANDフラッシュとDRAMの市場成長:福田昭のストレージ通信(133) 半導体メモリの勢力図(4)(1/2 ページ)
今回は、NANDフラッシュメモリとDRAMの市場成長と価格変動について取り上げる。後半では、プレーナー型NANDフラッシュと3D NANDフラッシュの製造コストを比較する。
2018年後半に市場の成長率が減速
2018年8月に米国シリコンバレーで開催された、フラッシュメモリとその応用製品に関する世界最大のイベント「フラッシュメモリサミット(FMS:Flash Memory Summit)」で半導体市場調査会社Objective AnalysisのアナリストをつとめるJim Handy氏が、「Flash Market Update、2018」のタイトルで講演した半導体メモリ市場に関する分析を、シリーズでご紹介している。
なお講演の内容だけでは説明が不十分なところがあるので、本シリーズでは読者の理解を助けるために、講演の内容を適宜、補足している。あらかじめご了承されたい。
前回は、NANDフラッシュメモリの事業収支と価格について2016年以降の状況を振り返った。今回は、NANDフラッシュメモリとDRAMの市場成長と価格変動についてHandy氏が講演で述べた部分の概要をご紹介する。
NANDフラッシュメモリ市場とDRAM市場は、2017年に記録的な高い成長率を記録した。昨年(2018年)も前半は成長が続いたものの、半ばに至ると腰折れする。講演の時点である2018年8月に、Handy氏は成長率を以下のように予測した。
NANDフラッシュメモリ市場は2017年の50%成長から、2018年は9%成長へと減速する。そしてDRAM市場は2017年の80%成長から、2018年は12%成長へと減速する。2018年の後半には、市場規模は成長から縮小へと転じると見込んだ。さらに2019年は、マイナス成長の年となると予測した。
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