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オムロンがセンサーをラズパイ対応にした狙いオープンイノベーションで実現(1/2 ページ)

オムロンが、新規事業創出を目指すべく2018年4月に創設した「イノベーション推進本部」。そのイノベーション推進本部が2019年1月、新たな取り組みとして、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、以下ラズパイ)」や「Arduino」などのオープンプラットフォームに対応したセンサーを発表した。

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 オムロンが、新規事業創出を目指すべく2018年4月に創設した「イノベーション推進本部」。そのイノベーション推進本部が2019年1月、新たな取り組みとして、「Raspberry Pi(ラズベリーパイ、以下ラズパイ)」や「Arduino」などのオープンプラットフォームに対応したセンサーを発表した。

 非接触温度センサー、感震センサー、絶対圧センサーの3種類があり、センサーを搭載した評価モジュールという形で提供する。評価モジュールは、数量と期間を限定(2019年1月11日から約半年)し、スイッチサイエンスとPhysicalComputingLabにて提供中だ。


左から、非接触温度センサー評価モジュール、感震センサー評価モジュール、絶対圧センサー評価モジュール。非接触温度センサーは、人物も検出できる小型サーモグラフィーセンサー「D6T」、感震センサーはSI値演算アルゴリズムを搭載した「D7S」、絶対圧センサーは±5cmの高低差を計測できるMEMS気圧センサー「2SMPB」が使われている。評価モジュールは、電子回路設計や基板作成を手掛けるテクノアルタエンジンと共同開発した(クリックで拡大)

個人を対象に

 もともとオムロンは、センサーを家電や工場、自動車、カメラなど向けにメーカーに提供していて、今回発表した評価モジュールにも、それら産業用途向けの高性能な量産品が使われている。

 ただし、これまでと異なるのは、センサーの提供先としてMaker(メイカー)など個人の技術者やベンチャー企業、ITベンダーに重点を置いている点だ。イノベーション推進本部 CTO室 戦略グループで主査を務める高塚皓正氏は、「センサーなどの部品が、個人の技術者やスタートアップ企業からも求められるようになっていることが背景にある。これは、オムロンに対しての要求というよりは、テクノロジー業界全体に対してそのような傾向がある」と話す。


センサーに対するニーズの変化 出典:オムロン(クリックで拡大)

 このように、大手や中小企業だけでなく個人もユーザーに含まれるようになってきたことで、オムロンは「使いやすいセンサーであること、センサーとシステムとの連携も簡単なことが重要なのではないか」と考えたという。

 そこで、これまでB2B(Business to Business)向けに提供してきたセンサーを、1)評価モジュールにして、はんだ付け不要にすること、2)オープンプラットフォームに対応させること、この2つによって、個人でも使いやすいようにしたのである。

 具体的には、中国Seeed Studioが開発した、機器接続インタフェース「Grove」に対応したコネクターを評価モジュールに搭載した。このコネクターをラズパイに差し込むだけで、ラズパイで評価モジュールが使えるようになる。つまり、センサーを評価できるようになる。さらに、ラズパイやArduinoでセンサーデータを読み出すためのサンプルコードをGitHubに公開し、提供している。


オープンプラットフォームに対応した、オムロンのセンサー 出典:オムロン(クリックで拡大)

 「既存のセンサーを個人向けにも提供しようとすると、自分ではんだ付けをする必要があったり、専用の実装装置が必要になったりする。これでは、試しに使ってみるにはハードルが高過ぎるというのが、今回の評価モジュールを開発する出発点となった」(高塚氏)

 加えて、センサーを触ってもらう機会を増やすために自社で勉強会なども行うという。

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