ローデ、5G時代の“ミドルクラス・スペアナ”を発表:最大44GHz、400MHz幅に対応(2/2 ページ)
Rohde & Schwarzの日本法人であるローデ・シュワルツ・ジャパンは2019年4月12日、都内で記者会見を開き、スペクトラムアナライザー(スペアナ)の新製品「R&S FSV3000」と「R&S FSVA3000」を発売したと発表した。2つの新製品は、周波数40GHz前後まで対応し、価格数百万円クラスのミドルエンド領域のスペクトラムアナライザー。従来のミドルエンド機に比べ、対応する帯域幅を拡大させるなどし、需要が増加している第5世代移動通信(5G)対応機器の開発、製造用途に対応する性能を備えた。
信号発生器との連携機能も
R&S FSV3000/R&S FSVA3000は、主に5G関連機器の評価用途をターゲットにするが「5G市場以外にも、多くのアプリケーション市場での利用を見込んでいる」として、誰でも使いやすいことを目指したユーザーインタフェース、新機能を盛り込んだ点も特長だ。
例えば、これまではコマンドを記述する必要があった自動測定用スクリプトを、スペクトラムアナライザーを手動操作するだけで作成できる「SCIPレコーダー機能」を内蔵。手動操作を記録し、その操作コマンドをSCPIの他、C++、Python、Matlabなどのプログラミング言語フォーマットに変換出力できる。
また、R&S FSV3000/R&S FSVA3000からRohde & Schwarz製信号発生器の設定を変更できるスマートジェネレーターコントロール機能も実現。R&S FSV3000/R&S FSVA3000で、周波数やレベルなどを変更した場合に、LANで接続した信号発生器の設定も同様に、自動的に変更する。さらに、前述のSCIPレコーダー機能も、LAN接続した信号発生器側の操作コマンドも記録できるようになっている。「現在、R&S FSV3000/R&S FSVA3000の画面(=マルチタッチ対応液晶ディスプレイ)で、信号発生器の画面を表示し、操作できる機能も開発しており、いずれ提供できる見込み」という。
価格は、R&S FSV3000が270万円からで、同FSVA3000が350万円からで、「従来のFSV、FSVAとほぼ同様の価格帯になっている」(ローデ・シュワルツ・ジャパン)という。なお、「28GHz、帯域幅400MHzの5G NRの変調解析を行おうとした場合、これまでは(高価な)ハイエンド機が必要になった。R&S FSVA3000であれば、おおよそ25%程度安いコストで解析が行えるだろう」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 5G向けの44GHz信号源、2chで帯域幅は2GHz
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2019年2月20日、周波数レンジが1M〜44GHzで、最大2GHzのRF変調帯域幅をサポートする、デュアルチャンネルのベクトル信号発生器「VXGマイクロ波信号発生器(以下、VXG)」を発表した。 - ローデ、WLAN 2×2 MIMOシグナリングテスター
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、IEEE 802.11ax規格に準拠したRF特性を測定できるWLAN 2×2 MIMOシグナリングテスター「R&S CMW270」を発売する。 - 全面タッチパネルのネットアナ、高いRF性能を実現
ローデ・シュワルツ・ジャパン(以下、ローデ)は2019年1月16日、ネットワークアナライザーのフラグシップ製品となる「R&S ZNA(以下、ZNA)」を発表した。使い勝手の向上、高いRF性能、シンプルなセットアップという3つの特長を備える。 - ローデ、5G対応機器のテストソリューション
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、5G(第5世代移動通信)対応機器の放射測定に向けた標準テストソリューションを発表した。 - ローデのシグナルスペアナ、解析帯域幅など強化
ローデ・シュワルツ・ジャパンは、解析帯域幅とRF性能を強化したシグナルスペクトラムアナライザー「R&S FSW」を発表した。