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ルネサス1〜3月、実需減に在庫調整加わり大幅減収:前年同期比19%減収(2/2 ページ)
ルネサス エレクトロニクスは2019年5月14日、2019年12月期(2019年度)第1四半期(1〜3月)業績および、2019年度第2四半期(4〜6月)業績見通しを発表した(業績はいずれもNon-GAAPベース)。2019年度第1四半期は、実需の減少に加え、流通在庫調整の影響により、売上高は前年同期比19%減の1503億円と大きく落ち込んだ。
生産停止は実施
同社は、実需減や在庫の積み上がりを受けて、5月のゴールデンウィークおよび、8月の夏季休暇期間に合わせた工場の生産停止期間の延長を検討してきた。検討を開始した2019年3月当初には、半導体需要が急速に減少することも想定し、最大2カ月の生産停止を想定した検討も実施していたが、足元の需要動向などから「5月の生産停止規模は当初想定した最大期間の3〜4割程度の生産停止にとどめた」とし、パワーディスクリートを生産する6インチウエハーライン、8インチウエハーラインで10日程度の生産停止を実施した模様で、マイコンなどを生産する一部製造ラインは生産を継続したという。
8月の夏季休暇時期での生産中止期間延長についても「検討を進めている」(柴田氏)としながらも、5月の生産中止期間よりも短くなるとの見通しも示した。
第2四半期は減収幅縮小へ
2019年度第2四半期の売上高は、1850億円(前年同期比9.0%減)から1930億円(同5.1%減)の範囲を予想。在庫調整影響が減少するとともに、2019年3月末に買収が完了したIDTの業績貢献もあり、第1四半期よりも減収幅を大きく改善するとしている。
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