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3D NANDの進化が目立つ、市場は回復基調との見方もFMS 2019(1/3 ページ)

2019年8月6〜8日(米国時間)にかけて、米国カリフォルニア州サンタクララで14回目となるメモリ技術関連のカンファレンス「Flash Memory Summit(FMS)」が開催されたが、そこではNAND型フラッシュメモリのベンダーとパートナー各社の積極的な姿勢が目立った。

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500層クラスの3D NAND開発を目指すベンダー各社

 2019年8月6〜8日(米国時間)にかけて、米国カリフォルニア州サンタクララで14回目となるメモリ技術関連のカンファレンス「Flash Memory Summit(FMS)」が開催されたが、そこではNAND型フラッシュメモリのベンダーとパートナー各社の積極的な姿勢が目立った。

 Samsung Electronics(以下、Samsung)とSK hynixは、2019年内にも100層を超える3D NANDフラッシュチップを出荷する予定であることを明らかにした。一方、東芝メモリは低遅延のNANDフラッシュを発表、この製品でDRAM市場に食い込むことを狙う。

 今回のFMSでは、あふれる群衆を魅了するような目玉は決して多くなかったが、上記2つのニュースは目玉だといえるだろう。SK hynixとWestern Digital(WD)は、セルサイズ微細化に続く次なるアプローチとしてソフトウェアをアピールした。また、展示会フロアには、PCI Express 4.0対応のSSDや、さまざまなストレージアクセラレーターが並んだ。

 メモリ市場では、過去2年間にわたるメモリ需要の急増や価格の上昇と、ハイパースケーラーなどによる大量購入が引き金となり、チップメーカーの設備投資額は拡大し、現在の供給過剰をもたらした。

 Objective AnalysisのアナリストであるJim Handy氏は「Samsungなどは『回復はすぐそこだ』と言い続けているが、不調がいつ終わるかについて具体的な考えがあるわけではない」と述べる。

 一方、ベンダーは96層の3D NANDフラッシュを出荷しつつ、128層への移行も進めている。「どのベンダーも500層クラスの3D NANDフラッシュを開発できると意気込んでいる」(Handy氏)

 Forward InsightsのアナリストであるGregory Wong氏は、メモリ市場についてより楽観的だ。同氏は、ディストリビューターでのNANDフラッシュ価格が既に上昇している兆しがあると考えており、「現在は回復基調にあるので、2019年第3四半期には底を打つ可能性がある」と述べた。

 Samsung本社は、250GバイトのSSDが生産段階にあることを発表した。このSSDは、3ビット/セル(TLC)で100層の256Gビット 3D NANDフラッシュを用いている。書き込みは450マイクロ秒以下、読み出しは45マイクロ秒以下だとする。旧世代品よりも速度を10%向上しつつ、消費電力は15%低減した。

 Samsungは、今後1年以内に、300層以上の512GビットNANDフラッシュチップの出荷を見込んでいることを明らかにした。さらに、2019年内に、SSDに512Gビットチップを採用することも明言した。SK hynixもSamsungに追随するように、2019年内にテラビットクラスの3D NANDフラッシュチップの量産を開始する予定であると発表している。


SK hynixは、2019年末までにテラビットクラスの128層3D NANDフラッシュチップの量産開始を計画しているという 画像:SK hynix

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