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電池事業を本格化する村田製作所、蓄電池工場を公開買収から2年、技術融合の成果アピ―ル(1/3 ページ)

 村田製作所が、電池事業の展開を本格化させている。ソニーの法人向け電池事業を買収して約2年が経過した2019年8月28日、東北村田製作所の郡山事業所(福島県郡山市)を報道関係者に公開。技術融合による初製品である「家庭用蓄電システム」など、電池事業に関する最新の取り組みを説明した。

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 村田製作所が、電池事業の展開を本格化させている。ソニーの法人向け電池事業を買収して約2年が経過した2019年8月28日、東北村田製作所の郡山事業所(福島県郡山市)を報道関係者に公開。技術融合による初製品である「家庭用蓄電システム」など、電池事業に関する最新の取り組みを説明した。

技術融合の初製品として、「家庭用蓄電システム」をアピール

 郡山事業所は、2017年9月に村田製作所がソニーから買収した電池事業の拠点で、1991年に世界に先駆けてリチウムイオン2次電池の量産に成功した工場だ。

 村田製作所は、「電池事業をポートフォリオの中核を担えるように育てる」(関連記事:「電池事業を村田の中核に」村田製作所、中島氏)としており、事業譲受後、海外の拠点を中心とした設備投資などを行いながら体制を強化、2018年には出荷累計70億セルを達成している。


村田製作所の電池事業の歩み(クリックで拡大)出典:村田製作所

 同社の専務執行役員モジュール事業本部長、中島規巨氏は、ソニーの電池事業を譲受した目的の1つとして、「電池事業を核に、村田が取り組んできたパワーコンディショナーの事業と合わせ、蓄電ソリューションという形で社会貢献できないかという思いがあった」と説明。この日は、蓄電事業のキーとなる円筒形のオリビン型リン酸鉄リチウムイオン2次電池「FORTELION」や、幅広い市場に展開を進める蓄電システムに関する説明が中心に行われた。

 同社は2018年2月に産業用の大型蓄電システムの提供を始めたほか、2019年6月には家庭用蓄電システムの販売も開始するなど、蓄電事業の展開を進めている。特に家庭用は、FORTELIONを利用した蓄電ユニットにDC-DCコンバーターやパワーコンディショナーを一体化したものであり、同社は、「村田の電源技術と旧ソニーの電池技術を組み合わせることで実現した『初の製品』だ」とシナジーを強調していた。

左=2019年6月から販売開始した家庭向け蓄電システム。US26650形のFORTELIONを256個使用し、蓄電池ユニット、DC-DCコンバーター、パワーコンディショナーを一体化している。定格出力は最大4.0kW(連系運転時)。蓄電池公称容量は2.3kWh。定格充放電電力は2.0kW/右=こちらは、さらに3.5kWhを増設可能な蓄電池ユニットだ(クリックで拡大)

 同社は、この蓄電システムによって卒FIT市場を開拓し、「年間1万台」販売の早期実現を目指す方針だ。

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