パートナー連携で車載システム開発を加速するルネサス:買収のシナジーも強調(2/4 ページ)
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2019年10月16日、「R-Carコンソーシアム 2019」の開催にあわせ、報道関係者向けに車載事業戦略などの説明会を実施。新たなパートナープログラムの開始など、パートナーとの連携を重視した展開を進めることを強調した。
先進した製品開発、低消費電力を重視
マイコンの製品ロードマップとしては現在、主力量産製品として40nmプロセスのフラッシュマイコンを展開し、これまでに約4億5000万個を出荷しているが、競合に先駆けて、既に次世代の28nmプロセスのフラッシュマイコンの開発も終えており、2022年第1四半期から量産を開始する予定だ。さらに次々世代となる16nmプロセスについても、「基礎研究は終わっている」と明かしたが、製品展開については、「今は28nmプロセスですらハイエンド側であり、市場の状況を見ながら決めていく」としている。山本氏は、「28nmプロセスも、本格的なマーケットニーズが成熟するにはまだ時間があると考えている。われわれは40nmの需要を確保したうえで28nmもカバーできる唯一の半導体メーカーとしてのポジションを確立していく」と説明している。
ADAS向けのR-Car製品は、特に自動運転、センシング用途のラインアップを強化する方針だ。現在、レベル3以上の自動運転システム向けとなる7TOPSの「R-Car V3H」を提供しているが、既に後継機となる20TOPSの製品や、レベル4以上向けとなる60TOPSの製品も開発中という。
こうした製品開発について、ルネサスは、「われわれは高性能のみを追求しているわけではない、消費電力当たりのTOPSを追求している」と付け加える。「例えばV3Hは消費電力を4〜5Wに収めなければならないという制約のなかで、7TOPSを発揮している。次世代製品についても、こうした点を重要な課題と認識しつつ開発を進めている」という。
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