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中国、289億米ドル規模新ファンドで半導体の自給自足へ半導体投資はPhaseIIに移行(1/2 ページ)

中国の国家IC産業投資基金(National IC Industry Investment Fund、通称:National Big Fund)は、最近創設したばかりの「National IC Industry Investment Fund Phase II(National Big Fund Phase II)によって、半導体産業投資の第2段階に移っている。

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 中国の国家IC産業投資基金(National IC Industry Investment Fund、通称:National Big Fund)は、最近創設したばかりの「National IC Industry Investment Fund Phase II(National Big Fund Phase II)」によって、半導体産業投資の第2段階に移っている。

 Phase IIは、2014年に始動したPhase Iの約2倍となる2041億5000万元(289億米ドル)規模と、市場の予測をわずかながら上回る。Phase IIの投資は、早ければ2019年11月中にも始動する見込みだ。

 Phase Iでは、23社の半導体メーカーに資金が提供され、複数の企業合併や買収、新規株式上場(IPO)などが行われた。

 中国の半導体業界では現在、Phase IIの投資がどの分野に注力していくのか、また、新たな段階に入ったBig Fundの投資によるメリットを享受できるのはどの半導体メーカーなのか、といった点について臆測が飛び交っている。

 これに関しては、手掛かりはいくつかある。

 Big Fundのマネジャーは、2019年9月に行われた半導体業界サミットにおいて、「Phase IIは、エッチング装置や薄膜、テスト、洗浄装置などの分野に注力する予定だ。中国の半導体業界向けに自給自足と制御が可能な、独立した産業チェーンを構築することを目指していく」と発表している。

 しかし、Phase IIの目指すべき方向について、中国の業界ウォッチャーたちの見解は分かれている。一部の提唱者たちは、ダウンストリームアプリケーションなどをはじめ半導体業界の後を追うべきだと主張しているが、一方では「材料設計や装置」への投資を支持する声もある。さらに、5G(第5世代移動通信)やAIなどの新技術によって実現可能な新しいアプリケーションに投資することが重要だとする意見もある。

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