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「成毛氏の路線引き継ぐ」キオクシア新社長、早坂氏新社名「前向きに受け止められている」(1/2 ページ)

2020年1月29日、病気療養中の成毛康雄氏に代わってキオクシアHDおよび、子会社キオクシアの社長に、副社長だった早坂伸夫氏が就任した。同社は同日、東京都内で報道関係者向け説明会を実施。早坂氏は今後の方針について、「(成毛氏とは)お互いに戦略や考え方をきっちり共有できていた。基本的に今まで話し合ってきた路線でまずスタートしていく」と述べた。

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 2020年1月29日、病気療養中の成毛康雄氏に代わってキオクシアHDおよび、子会社キオクシアの社長に、副社長だった早坂伸夫氏が就任した。同社は同日、東京都内で報道関係者向け説明会を実施。早坂氏は今後の方針について、「(成毛氏とは)お互いに戦略や考え方をきっちり共有できていた。基本的に今まで話し合ってきた路線でまずスタートしていく」と述べた。


キオクシアHDおよび、子会社キオクシアの新社長に就任した早坂伸夫氏

「重い責任背負って、全力尽くす」

 早坂氏は2019年7月12日から成毛氏の病気療養に伴ってキオクシアHDおよび、キオクシアの代表取締役として社長業務を代行していたが、成毛氏の病気療養に伴う社長辞任の申し出により、2020年1月29日付で社長に就任した。

 説明会では早坂氏と同社取締役兼会長執行役員、Stacy J. Smith氏が登壇。早坂氏は成毛氏について、「長年にわたりメモリ事業をけん引し、キオクシアのトップとして開発をリードしてきた」と評価を述べたうえで、「成毛さんの後を継ぐことになり、非常に責任の重さを感じている。その重い責任を背中に背負って全力を尽くしていく」「私たち自身が発明したNAND型フラッシュメモリという基幹技術を礎にこれまで行ってきたことを、着実に継続的にさらに発展していきながら、技術開発を止めることなくますます躍進していきたい。社名が意味するところである、『記憶による価値の創造』にこだわり、社会の発展に貢献する新しい領域を模索していきたい」と意気込んだ。

 今後の経営戦略については、「成毛さんとは長い間仕事を一緒にしてきた。とりわけメモリに関してはお互いに四日市工場で6年以上一緒に仕事した」と語り、「お互いに、キオクシア全体の戦略、考え方はきっちり共有できていたので、『大きく外して全く新しいこと』を、とはならない。基本的に今まで話し合ってきた路線でまずはきちっとスタートしていく」と、従来の経営方針を引き継ぐ考えを示した。

メモリ市況回復の兆し、IPOは「当初スケジュール通り」

 低迷が続いていたメモリ市場の展望については、早坂氏は「全体としては良い方向にきている」と見解を述べた。またSmith氏は、同社を取り巻く環境について、データの『爆発的増加』というメガトレンドを挙げつつ、「われわれのビジネスはその中心に位置している」と、明るい見通しを示していた。


キオクシア取締役兼会長執行役員、Stacy J. Smith氏

 IPO(新規株式公開)に関しても設立後3年以内をメドとする従来の方針から変更はないことを明かした。そのうえで、Smith氏は「IPOの位置付けは必要な投資のためとは考えていない。会社設立前から必要な投資はR&Dに向けていたし、ここ2年も適切な研究開発に対する投資を行ってきた。今後はIPOに必ずしも依存することなく、適切な投資を振り向けていく」と語った。

 競合との競争が激化する中での戦略については、早坂氏は「われわれはNAND型フラッシュメモリ一本でやっているといわれるが、そのピュアプロダクトの強みを生かして事業を展開していきたい」と述べつつ、「時間はかかるが新しいものを狙っていこうと開発は進めており、研究開発では複数の新しいデバイスを手掛け、投資もしている」とも明かした。

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