HDD大手Seagateは3四半期連続で売り上げが増加:福田昭のストレージ通信(164)(2/2 ページ)
今回はSeagate Technologyの2020会計年度第2四半期(2019年10〜12月期)の業績を紹介する。売り上げの大半を占めるHDDの市況が回復したことで、3四半期連続で売り上げが増加した。
HDDの総出荷記憶容量は過去最大を更新
Seagateは、HDDの総出荷記憶容量と1台当たりの記憶容量を製品分野別に公表している。「大容量品(マスキャパシティ品)」と「既存品(レガシー品)」である。マスキャパシティ品には、ニアラインHDD、画像データ格納用HDD、NAS(Network Attached Storage)などが含まれる。レガシー品にはミッションクリチカルHDD、デスクトップPC用HDD、ノートPC用HDD、デジタルビデオ録画用HDD、ゲームコンソールなどが含まれる。
マスキャパシティ品は総出荷記憶容量とドライブ1台当たりの記憶容量(平均記憶容量)がいずれもかなり大きい。2020会計年度第2四半期(2019年10月〜12月期)の総出荷記憶容量は71.3EB(エクサバイト)で、前年同期比51%増、前四半期比率11.6%増とかなり伸びた。その中でニアラインHDDの総出荷記憶容量は49.0EBで、マスキャパシティ品全体の68.7%を占めた。ほぼ7割である。マスキャパシティ品の平均記憶容量は6.4TBで、前の四半期に比べて0.4TB減少した。
レガシー品の総出荷記憶容量は2020会計年度第2四半期(2019年10月〜12月期)に35.6EBだった。前の四半期に比べると1.1EB増と拡大しているものの、前年同期に比べると4.6EB低下している。平均記憶容量は1.6TBで、前の四半期に比べて0.2TB増加した。といっても2019会計年度第3四半期から2020会計年度第1四半期までは3四半期連続で同じ容量となっており、記憶容量拡大の勢いは弱い。
HDD全体の総出荷記憶容量は106.9EBである。前四半期に比べて8.6EB増え、過去最高を記録した。HDD全体の平均記憶容量は3.3TBである。前期に比べて0.4TB増え、3四半期連続で過去最高を更新した。
Seagateの売り上げ金額に占めるマスキャパシティHDDの割合は49%、レガシーHDDの割合は43%である。過去の6四半期ではマスキャパシティが39%〜49%、レガシーが43%〜53%となっており、レガシーの割合がやや多い。
(次回に続く)
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