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折り畳み、5G、1億画素…… 新たな挑戦を続けるGalaxy最新モデルを解剖この10年で起こったこと、次の10年で起こること(43)(3/4 ページ)

今回は、Samsung Electronicsの2020年モデルスマートフォン2機種を取り上げる。1つは、縦方向にディスプレイを折り畳める「Galaxy Flip」。もう1つは、第5世代移動通信(5G)に対応し、1億800万画素カメラを搭載する「Galaxy S20 Ultra 5G」だ。

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なぜか、日本では未発売……

 今回報告する2台目のスマートフォンは5Gに対応した「Galaxy S20 Ultra 5G」である。

 2019年の段階で海外では5Gサービスが始まっており弊社では多くの5Gスマートフォンを分解解析してきた。2020年は日本でも多くの5Gスマートフォンが市販される。引き続き日本製も含めて5Gスマートフォンをどんどん観察していく予定である。

 そのような中で2020年春モデルとしてSamsungの最上位機種に位置するGalaxy S20 Ultra 5G(海外モデル: Qualcommプラットフォームモデル、SAMSUNG Exynosプラットフォームの2機種がある)について言及したい。日本でも本機種の下位モデル「Galaxy S20」は発売されることになっている。しかしS20 Ultraは日本未発売(大手キャリアモデルとして)のものである。最上位のS20 Ultraは、S20が6400万画素のカメラを有するのに対して、1億800万画素のカメラを備えている。またしても日本では最上位モデルが未発売となってしまっているわけだ。

 海外では1億800万画素が最上位だが日本では6400万画素モデルが最上位としてリリースされている。今、日本では最上位仕様が販売さえされないのだ。

 S20もS20 Ultraも、内部の半導体チップの構成はほぼ同じ。通信規格などの認証が、どちらか一方だけ取得できないということはハードウェア的にはあり得ないことである。非常にありふれた感想だが「日本メーカーの5Gスマートフォンよりも数字上、勝るスペックという理由で(販売対象から)弾かれた?」と感じた次第である。

 2019年年末に中国のXiaomiが日本でも公式に販売を開始した「Note10」「Note10 Pro」が5カメラを有し1億800万画素を有しているので、すでに日本国内市場でも1億800万画素が決して大きな驚きを与えるものでもない。また、Xiaomi製品でSamsung製のCMOSイメージセンサーが使われていることも明確になっているので(弊社で入念に解析済み)Samsungの2020年モデルでは同じイメージセンサーが使われることは、公知であったのだが、日本での発売は決まっていない。

 さて、Galaxy S20 Ultra 5Gの内部を紹介していこう。弊社では2020年3月に海外で販売されたモデルをすぐに入手し分解解析を行った。


図5:「Galaxy S20 Ultra 5G」 (クリックで拡大) 出典:テカナリエレポート

 図5は、裏面カバーと非接触充電(Qi)用コイルなどを取り外した内部の様子と、メインの基板を取り外し2層基板を分離した様子である。基板は2層部が複数ある構造となっている。Samsungでは2層基板化がすっかり定着したようだ。2層化によって基板の面積は小型化され、その空いたスペースが電池部、カメラ部の面積拡大に割り当てられている。事実、2019年のフラグシップモデル「Galaxy S10」(LTEモデル)の電池面積が約3105mm2だったの対してS20 Ultra 5Gは4216mm2と35.8%も電池面積を増やしている。電池とカメラは面積を増やし、基板は面積を減らし続けているわけだ。この辺りは過去のトレンドとしてもずっと続いてきたことである。この先も半導体は集積密度を上げ(10nm→7nm→5nm→……)、その結果基板はより小型化し、電池やカメラ(他センサー)に“敷地”を譲っていくのだろう。

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