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“アフター・コロナ”の半導体産業を占う 〜ムーアの法則は止まるのか湯之上隆のナノフォーカス(24)(1/5 ページ)

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響は各方面に及んでいる。もちろん半導体業界も例外ではない。最先端の微細化など次世代の技術開発ができない、製造装置が入手できない――。半導体産業では、これが現在の最大の問題である。本稿では、なぜそうなのか、今後どうなるのかを考察する。

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 新型コロナウイルス(COVID-19)の影響は各方面に及んでいる。もちろん半導体業界も例外ではない。最先端の微細化など次世代の技術開発ができない、製造装置が入手できない――。半導体産業では、これが現在の最大の問題である。本稿では、なぜそうなのか、今後どうなるのかを考察する。

日本も緊急事態を宣言


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 とうとう安倍晋三総理大臣は2020年4月7日、新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染拡大を防ぐための改正特別措置法に基づき、“緊急事態宣言”を発令した。対象地域は、東京を含む7都府県で、実施期間は4月8日から5月6日までとなった。

 世界では、WHO(世界保健機関)がパンデミックを宣言した3月11日後も感染拡大が続いており、その感染者数は4月14日に187万人を超えた(図1)。


図1:世界および各国のコロナ感染確認者数(〜2020年4月14日) 出典:新型コロナウイルス感染 世界/中国マップのデータを基に筆者作成(クリックで拡大)

 最初に感染者が爆発的に増大した中国は、湖北省の武漢を1月23日に都市封鎖した。イタリアは、1月31日に緊急事態宣言を出した。中国の次にオーバーシュートが起きた韓国は、2月23日に非常事態を宣言した。スペインと米国は、パンデミック宣言から2日後の3月13日に非常事態を宣言した。さらに、3月16日にはドイツとフランスが、3月23日には英国が都市封鎖を行った。

 しかし、ほとんどの国がオーバーシュートを防ぐことができず、コロナによる死亡者数は増え続けており、4月14日に世界の死亡者数は11万8000人を超えた。感染者数の抑え込みに成功しているように見える韓国でも、死亡者数はいまだに増え続けている。その韓国と同じ傾きで日本でも死亡者数が増大している。唯一、台湾だけが、わずか5人の死亡者で踏みとどまっている(図2)。


図2:世界および各国の死亡確認者数(〜2020年4月14日) 出典:新型コロナウイルス感染 世界/中国マップのデータを基に筆者作成(クリックで拡大)

 まとめると、中国と韓国ではコロナのピークは過ぎ、台湾はコロナを制御できている。一方、欧米ではオーバーシュートが続いている。日本は、小池百合子・東京都知事が連日言っているように「感染拡大の重大局面」にある。

 このように世界各国がコロナとの戦いを行っている状況で、半導体製造はどうなっているのだろうか? また、次世代の技術開発や設備投資はどうなるのだろうか? さらに、コロナが終息した後、つまり“アフター・コロナ(AC)”の世界は、“ビフォー・コロナ(BC)”とは、どのような変化が生じているのだろう。平時を取り戻しているのか? それとも、変わり果てた姿に変ぼうしているのか?

 ここからは、まず、DRAM、NAND型フラッシュメモリ、ファウンドリー、プロセッサ、それぞれの半導体製造の状況を見てみよう。

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