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2019年度売上高と営業利益が過去最高、太陽誘電2020年度通期見通しは出せず(1/3 ページ)

太陽誘電は2020年5月12日、2020年3月期(2019年度)通期決算を発表した。2019年度売上高は、前期比2.9%増の2823億2900万円、営業利益は同5.5%増の371億7600万円、経常利益は同2.4%増の351億6500万円で増収増益となった。売上高、営業利益はともに過去最高を更新した。

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 太陽誘電は2020年5月12日、2020年3月期(2019年度)通期決算を発表した。2019年度売上高は、前期比2.9%増の2823億2900万円、営業利益は同5.5%増の371億7600万円、経常利益は同2.4%増の351億6500万円で増収増益となった。売上高、営業利益はともに過去最高を更新した。

 経常利益は、為替差損14億400万円を計上した結果となっている。純利益については、前期比23.9%減の180億2200万円と大きく減少。これは子会社エルナーののれん減損損失と独占禁止法関連の損失や、2019年10月に発生した台風19号で子会社福島太陽誘電が浸水被害にあったことになど、特別損失として計128億6300万円計上したことが要因となっている。


2020年3月期通期業績概要(クリックで拡大) 出典:太陽誘電

 同社は2019年度の経営環境について、「2019年まではアジアや欧州で弱さがみられるものの世界経済全体として緩やかな回復が続いていた」と説明。こうした環境のもとで同社は成長市場と見据える電装化が進行する自動車市場および、通信システムの高度化やIoT(モノのインターネット)の進展に伴って高性能化が進む基地局通信装置/データセンターなどの情報インフラ市場に注力。「大型/高耐圧/高信頼の部品需要が増加する中で、商品ラインアップと生産能力を拡大し供給責任を果たすことで売上の増加につなげた」と述べている。

 ただ、2020年に入り、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な感染拡大によって経済活動が抑制され、急速に世界景気が減速したことに触れ、「先行きについては、当面COVID-19の影響が続くと見込まれ、世界景気がさらに下振れするリスクが高まっている」としている。

クルマの電装化がけん引役に

 製品別にみると、主力の積層セラミックコンデンサー(MLCC)などを含むコンデンサーは、1台当たりの部品搭載数が増加を続ける自動車向けが成長をけん引。また、基地局通信など情報インフラ/産業機器向けも増加したことで、売上高は前年同期比3.4%増の1764億5700万円と成長した。モバイル通信用デバイス(FBAR/SAW)、電源モジュール、高周波モジュール、部品内蔵配線板「EOMIN(イオミン)」などを含む複合デバイスも、モバイル通信用デバイスが増加したことで、売上高は同3.9%増の498億800万円となった。


2020年3月期製品別売上高(クリックで拡大) 出典:太陽誘電

 一方、巻線インダクターや積層チップインダクターなどの各種インダクターを含むフェライトおよび応用製品は、自動車向けは増加したものの民生機器向け、情報機器向け、通信機器向け、情報インフラ/産業機器向けなどが減少。売上高は同4.5%減の387億7000万円となった。

 また、アルミ電解コンデンサー、エネルギーデバイスなどの「その他」については、2019年度第2四半期からエルナーのアルミ電解コンデンサーなどが加わったことで、同13.8%増の172億9200万円となった。

 なお、生産能力については毎年10〜15%増強するという計画通り進行しており、2020年度も同様の能力増強を進める方針としている。

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