スペアナ統合の6GHz/8chオシロ、AIで異常信号検知:キーサイト「MXRシリーズ」(1/2 ページ)
キーサイト・テクノロジーは2020年5月18日、ミドルレンジの新しいミックスドシグナルオシロスコープ「Infiniium MXRシリーズ(以下、MXRシリーズ)」を発表した。
キーサイト・テクノロジー(以下、キーサイト)は2020年5月18日、ミドルレンジの新しいミックスドシグナルオシロスコープ「Infiniium MXRシリーズ(以下、MXRシリーズ)」を発表した。最大6GHzの帯域を備えたアナログ4チャンネルまたは8チャンネルとデジタル16チャンネルを搭載し、リアルタイムスペクトラムアナライザー(リアルタイムスペアナ)の機能も統合したことが最大の特長だ。その他、波形発生器、プロトコルアナライザー、ロジックアナライザーなど計8つの機能を1台に統合している。
ハイエンド機種のチップ搭載で解析機能を強化
MXRシリーズは、キーサイトのハイエンドオシロである「Infiniium UXRシリーズ」と同じ最新のASICと10ビットA-Dコンバーターを搭載。16Gサンプル/秒のサンプルレートを備え、200Mポイントのメモリを標準搭載している。ディスプレイはフルHDに拡張され、波形を細部まで確認できるようになった。こうした最新の技術を搭載したことで、同じミドルレンジ製品の従来機種「Infiniium Sシリーズ」に比べ、解析の性能とスピードが大幅に強化されている。
例えば、Infiniium Sシリーズの波形取り込みレートは1秒間に500回だが、MXRシリーズでは20万回と約400倍のレートを実現している。これにより、同じデジタル信号を観測する場合でも、解析時間を大幅に短縮できるようになる。
同じ信号を観測している様子。立ち上がり/立ち下がりで複数のパターンが表示されているが、波形取り込みレートが速いMXRシリーズでは、より短時間で、複数の立ち上がり/立ち下がりパターンを表示できている(全く同じ信号を解析しているので、「Infiniium Sシリーズ」でも、時間をかければ、最終的にはMXRシリーズで表示されているような立ち上がり/立ち下がりパターンを確認できる) 出典:キーサイト(クリックで拡大)
キーサイトでマーケティング部門オシロスコープ担当 マーケティング・イニシアティブマネージャーを務める坂田健氏は、「先行してMXRシリーズを見てもらった全ての顧客からは、この高速な波形取り込みレートによって、信号解析の信頼性とスピードが格段に上がるとの評価をもらっている」と語った。
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