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ロボット向けToFカメラ、距離と画像で高精度に測距Amazonで安価に買える(1/2 ページ)

シーアイエスはロボット開発者向けに、ToF(Time of Flight)カメラ「DCC-RGBD1」を提供している。ToFセンサーとカラーカメラを搭載しているので、距離データ、IR画像(近赤外線で撮った映像)、カラー画像を同時に取得でき、55×50×40mmと小型な点が特長だ。

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 ゲーム/エンターテインメントや自動車、民生機器、産業機器などさまざまな分野での活用が期待されているToF(Time of Flight)センサー。MarketsandMarketsが2020年2月に発表した調査によれば、ToFセンサーの世界市場規模は、2020年は28億米ドル、2025年には69億米ドルに成長すると予測されている。

 ロボット開発者向けに、ToF(Time of Flight)カメラ「DCC-RGBD1」を販売しているのがシーアイエスだ。同社は、産業用イメージングシステムの開発、製造販売を手掛けている。

「DCC-RGBD1」の外観。サイズは55×50×40mm 画像:シーアイエス(クリックで拡大)

 DCC-RGBD1は、ToFセンサー(ToF方式のCCDセンサー/解像度はVGA)とカラーカメラ(グローバルシャッター方式のCMOSイメージセンサー/解像度はQuad-VGA)で構成されている。距離データ、IR画像(近赤外線で撮った映像)、カラー画像を同時に取得でき、55×50×40mmと小型な点が特長だ。

 アナログフロントエンド(AFE)には、アナログ・デバイセズ(ADI)の「ADDI9036」が採用されている。DCC-RGBD1にはFPGAも搭載されていて、このオンボードのFPGAを用いて、ToFセンサーとカラーセンサーから得られた情報を同期する。カラーセンサーの画像処理(ISP:Image Signal Processing)もFPGAで行う。

 測距の距離は通常約30cm〜5mだが、「Near Mode」と「Far Mode」の2つの測距モードを用意しており、Near Modeでは150mm〜70cmまで、Far Modeでは30cm〜5mの測距性能を実現している。これらの測距モードを自動的に切り替え、ホストプロセッサ側で合成処理をすることで、近くから遠くまで全ての範囲においてできるだけ正確な距離を測定できるようにしている。測距の標準偏差率は、Near Modeで1.5%以下、Far Modeで2.0%以下となっている。

 この他に「高精度モード」もあり、静止画像を100枚合成して、測距の精度を向上させる方法もある。高精度モードの場合の誤差は、15cmにおいて±1mm、5mにおいて±10mmである。


DCC-RGBD1は、距離画像、IR画像、カラー画像の3つを同時に取得できる 出典:シーアイエス(クリックで拡大)

 インタフェースはUSB 3.0で、今後は顧客の要望に合わせてGbE(ギガビットイーサネット)などのインタフェースも増やしていく予定だ。さらに、仕様上ではうたっていないが、IMU(慣性計測ユニット)のインタフェースも備えていて、現在、ADIのIMU「ADIS16465」に関しては接続検証済みだ。これにより、ToFカメラにIMUも接続して、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)などのアプリケーションに応用することもできるようになる。ADI以外のIMUについては、物理的にインタフェースが可能かなどを含め、さらに追加で検証する必要があるという。

 レーザーダイオードの波長は850nmを用いているが、基本的には屋内使用を前提としているが、屋外で使用したい場合、940nmに変更することも可能だ。

距離測定まで行えるAFE SoC

 AFEに使われているADDI9036は、ToF方式のCCDセンサーに最適化されたSoC(System on Chip)「ADDI90xxシリーズ」の一つである。AFEの他、タイミングジェネレーター、距離演算用のDSP、干渉防止のアルゴリズムも搭載していて、ToFセンサーの情報を基に距離を計算し、その距離データを出力するところまで、ADDI9036で行える。干渉防止のアルゴリズムは、複数のToFカメラを使う際に、カメラ同士で干渉してしまい、測距できなくなるという問題を改善するためのもの。


「ADDI9036」のブロック図。CCDセンサーの駆動もADDI9036で行っている。「測距というシステムで見ると、少ない部品点数で構成することができるのが特長」(ADI) 出典:ADI(クリックで拡大)

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