HDD大手Western Digitalの業績、前期比の営業利益が4四半期連続で増加：福田昭のストレージ通信（168）（1/2 ページ）

今回は、Western Digital（WD）の2020会計年度第4四半期（2020年4月〜6月期）の業績を紹介する。

[福田昭，EE Times Japan]

売上高は2四半期連続で前年度同期を上回る

　ハードディスク装置（HDD）の大手ベンダーである米Seagate Technology（以降はSeagateと表記）と米Western Digital（以降はWDと表記）が、四半期の業績を相次いで公表した。発表日（現地時間）はSeagateが2020年7月28日、WDが同年8月5日である。そこで前回と今回は、SeagateとWDの四半期業績を続けてご報告する。前回は、Seagateの四半期業績をご説明した。今回はWDの四半期業績をご紹介する。

　WDの会計期間もSeagateと同様に7月から始まり、6月を決算月とする。8月5日にWDが発表したのは2020年4月〜6月の四半期業績で、会計年度では「2020会計年度第4四半期」となる。

　2020会計年度第4四半期（2020年4月〜6月期）の売上高は前四半期比（前期比）2.7％増、前年同期比18.0％増の42億8700万米ドルである。2四半期連続で前年同期を上回った。

　2020会計年度第4四半期（2020年4月〜6月期）の営業利益（Non-GAAPベース）は前四半期比（前期比）23.4％増、前年同期比では3.34倍の5億2700万米ドルである。営業利益が前の四半期を超えるのは4四半期連続である。粗利益率は28.9％で前四半期の27.9％から1ポイント増加した。売上高営業利益率は12.3％である。前四半期の10.2％から2.1ポイント上昇した。

2020会計年度第4四半期（2020年4月〜6月期）の業績概要（Non-GAAPベース）。出典：Western Digital（クリックで拡大）

　2020会計年度第4四半期（2020年4月〜6月期）の概況としては、NANDフラッシュメモリ応用品が非常に好調だった。クライアント用SSDの売り上げは過去最高を更新した。エンタープライズ用SSDの売り上げは70％近く伸びた。また第5世代（BiCS5）NANDフラッシュの製造歩留まりが良好で、生産量が急速に立ち上がりつつある。

　HDD製品では記憶容量が14TBの大容量品の需要が引き続いて旺盛だった。さらに大容量の16TB品と18TB品に対する顧客の引き合いは強く、2021年度第2四半期（2020年10月〜12月期）には販売の急速な立ち上がりを期待できる。

Western Digitalの四半期業績推移。同社の公表資料から筆者がまとめたもの。なお営業利益はGAAPベースなので、業績概要のスライド（non-GAAPベース）とは数値が一致していない（クリックで拡大）