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COVID-19の影響でAI開発が加速、医療や保険などMITも新プログラムを設立(2/2 ページ)

米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学・人工知能研究所(CSAIL:Computer Science and Artificial Intelligence Laboratory)の所長を務めるDaniela Rus教授によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、既存の問題を解決するための機械学習アプリケーションの開発が加速しているという。

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医療/ヘルスケアは最優先事項


画像はイメージです

 Rus氏は、「医療やヘルスケアはパンデミック下における優先事項であり、機械学習はこれまで何年もかかっていた医療研究の期間を数カ月に短縮できる場合もある。COVID-19のワクチン開発にかかる期間を数年ではなく数カ月と想定しているのは、機械学習によって開発を加速できるからだ」と述べている。

 同氏は、「人間とAIのコラボレーションによって、診断の精度を高めることができる」と話す。ある放射線研究で、医師と機械がそれぞれスキャン画像を見てガン性組織か非ガン性組織を判断したところ、人間のエラー率は3.5%で機械は7.5%だったが、両者を組み合わせた診断ではエラー率は0.5%に減少したという。

 「地方の医師や過労状態の医師が、常に最新の知見や研究をキャッチアップし続けなくてもよくなる日を想像してみてほしい。目の前の患者のデータを送信すれば、機械学習やAIが副作用の少ない薬を処方してくれる。スマートフォンが複雑な計算を支援するのと同じように、機械学習/AIが認知タスクや物理タスクを支援する世界を想像してみてほしい」とRus氏は言う。

 Rus氏は、「機械学習の幅広い普及の障害となる要因の一つが、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)だ」と指摘する。同氏は、「チャットボットは処理を単純化するが、PCに不慣れな人にとっては使いにくい。言語翻訳は依然として問題がある。機械学習は、パターンマッチングによってある言語を別の言語に翻訳するが、文脈や意図には対応できない。その一方で、チャットボットはデータを保持し、人間より迅速に質問に答えることができる」と説明している。

 同氏は、「機械学習は過去のデータが全てで、AI(ロボティクスも含まれる)は意思決定が全てだ。これらが、ビジネスあるいは個人が課題を解決する際に従来とは大きな違いを生み出しているのである」と語った。

【翻訳:滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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